ノアのGHCヘビー級王者・清宮海斗(23)が、中嶋勝彦(31)とのV5戦(27日、神奈川・カルッツかわさき)に向けて強い決意を口にした。決戦前に幼少期を過ごした地元の埼玉で「原点回帰」に成功。熱き心を取り戻した若き王者は、難敵撃破から一気にプロレス界の頂点を狙う。

 非情な蹴りに加えラフ殺法すら辞さない中嶋との防衛戦に向け、清宮は「相手はノアで唯一無二のスタイル。おそらくゴツゴツやり合ってはくれないでしょう。今までの戦いとは違ってくると思いますが、さらに自分を覚醒させるためにも、自分で自分を追い込んで、覚悟を決めて戦いたい」と言葉に力を込めた。

 昨年12月の初戴冠からこれまで、4度の防衛に成功。丸藤正道(39)、杉浦貴(49)の団体ツートップも退けた。王者の自覚もこれまで以上に増し、日々の進化を目標にする。その一環で、過去の自分を見つめ直すことも忘れない。
「自分の原点を振り返るようにしているんです。時間ができたら、小さい頃に過ごした場所を訪れたりして。幼少期からプロレスラーになることが夢だった。そして実際プロレスラーになって、あの頃過ごした場所に戻ると、当時の気持ちを思い出すことができるんです。『なんで俺はノアに入ったのか』とか」

 高校卒業後の2015年3月、ノアを選んだ理由は「一番の団体だから」というシンプルなものだった。改めてその気持ちを確認したことで「王者の俺がノアを日本で一番大きい団体にしないと。そのためには自分がプロレス界のトップにならないといけない」の思いを強くした。

 14日には、さいたま市内の祭り会場を訪れた。幼少期、みこしに上って大激怒されたエピソードを明かしつつ「子供の頃から知っている地元の人たちにも久しぶりに会って、あいさつすることができました。みんなに『体、でかくなったね』って言われてうれしかった。『頑張ってね』『防衛してね』って声をかけてもらいましたし。祭りで清らかな力をもらい、力がみなぎってきましたよ」と語った。「23歳最初の防衛戦でもありますし、必ず勝ちます」。自分のため、そして団体の未来のために鬼門を突破する。