【ノア】GHC王者・清宮が杉浦撃破 三沢さんにささげる激勝防衛

2019年06月10日 00時01分

杉浦(左)にミサイルキックを叩き込んだ清宮

 ノア9日の東京・後楽園ホール大会で、GHCヘビー級王者・清宮海斗(22)が杉浦貴(49)の挑戦を退けて4度目の防衛に成功した。

 2009年6月13日に試合中の事故で死去した故三沢光晴さん(享年46)のメモリアル大会メインで、若き王者が新時代のプロレスを見せつけた。

 死闘だった。序盤のじっくりとしたグラウンド戦から、10分過ぎに杉浦が放った雪崩式脳天砕きを号砲に、一気に試合が動き始める。

 王者はコーナーから後頭部へミサイルキックを放つと、通常は一試合1回しか出さない高角度のドロップキックを連発する。しかし49歳の鉄人は何とエプロンから俵返しで清宮を場外に放り投げる。この危険な一撃で清宮は一気に失速した。

 杉浦が勝負に出た。顔面エルボー17連打からジャーマン、20分過ぎにはスタンディングでフロントネックロックに捕らえると、そのまま後方へ回転して相手を座り込ませ、両足を胴体に絡める難易度Eのフロントネックで絞め上げた。

 25分を過ぎてもハレンチ王の猛攻は続く。正調式、雪崩式と五輪予選弾を連発。さらにもう一度、雪崩式を狙おうとコーナー最上段に王者を立たせるが、ここで清宮がありったけの力と意地を振り絞って、顔面への頭突きを放つ。一瞬、杉浦の動きが止まると、相手までコーナー最上段まで引き上げ、大一番限定のプレイメーカー(雪崩式リバースDDT)を決める。さらには猛虎原爆、変型エメラルド弾で一気に勝負に出た。

 しかし驚異の49歳は常人離れしたタフネスさとスタミナを発揮。ブレーンバスターを上空で体を入れ替え、フロントネックに移行。殺傷行為にすら見える側頭部へのエルボーを連打した。

 30分が経過した時点でお互いに「レスリング・ハイ」の領域に足を踏み入れる。もはや体力的にも精神的にも限界は超えているはずだ。それでも清宮は高角度のドロップキックを連打。上体が大きく揺れながらも、杉浦は倒れずに逆に顔面へのビンタ8連発を見舞う。

 しかし清宮も鬼の形相でこらえて倒れない。オーバースロー(ファイアーマンズキャリー式サイドバスターー)で投げ捨てると、三沢さんにささげるかのように、再び変型エメラルド弾からランニングエルボー。最後は東側壁にかけられた三沢さんの遺影を見上げた後、必殺の猛虎原爆固めで33分53秒の死闘に終止符を打った。

「(子供のころから)三沢さんに憧れて、僕はノアに入りました。今日という日は、見に来てくれた皆さんにとっても特別な日だと思っている。今日勝てた意味はとてつもなく大きい。これからも僕がノアを守っていく。輝かしい、明るい未来をファンの皆さんに見せたい。新しい風景は僕がつくります」と胸を張った清宮。また、たくましくなった王者は再び進化を始める。