新時代の到来とともに、マット界では新エースの座を巡る戦いが幕を開けた。幾多のプロレスラーの中でも筆頭候補として期待されるのが、昨年度の東京スポーツ新聞社制定「プロレス大賞」で敢闘賞を受賞したノアの清宮海斗(22)だ。昨年12月にGHCヘビー級王座を史上最年少で戴冠し、これまで3度の防衛に成功。若き王者はノアを業界盟主の座に戻すことを最大目標としつつ、令和に「清宮時代」を築き上げると誓った。

 ――新元号「令和」を迎え新時代を意識するか

 清宮 はい。例えば昭和なら力道山先生、(ジャイアント)馬場さん、(アントニオ)猪木さんの時代だった。平成もいくつかの「時代」を築き上げた先輩たちがいますよね。

 ――新日本プロレスは闘魂三銃士(蝶野正洋、武藤敬司、橋本真也)、全日本プロレスは四天王(三沢光晴、小橋建太、田上明、川田利明)。平成は三銃士から始まった

 清宮 僕が目指すのも「最初」なんです。後年になって「令和で最初に時代をつくったのは」って話になった時、誰もが「清宮」と言ってくれるような黄金時代を最初に築き上げたい。レスラーとして一番、脂が乗る30歳には実現したい。丸藤(正道)さんや杉浦(貴)さんには頼りたくはない。自分自身で新たな時代を切り開きたいです。

 ――ノアは2月からリデットエンターテインメント社が親会社になった

 清宮 丸藤さんもおっしゃってましたが「まず確固たる業界2位の座を」という目標が明確になりましたね。いずれ1位に上げるのは、自分の役目だと思っています。世代交代には区切りをつけた。これからはチャンピオンとして、どの団体にも負けない王者像をつくり上げたい。

 ――11月2日には約7年ぶりの両国国技館大会が行われる

 清宮 もちろんメインに立つのは自分です。だからそこまで防衛を続けなくては。最終的には、やっぱり日本武道館に戻りたい。ノアは(2000年8月の)旗揚げからしばらく年に4~5回は武道館で大会を開催していましたよね。試合が終わってファンのみんなが「わーっ」とリングに押し寄せてきて、メインで勝った選手の名前を絶叫する。あの風景こそ本来のノアだと思う。

 ――武道館回帰は拳王(34)もGHC王者時代に語っていた

 清宮「聖地」は決して東京ドームではなく武道館。ファンの時、あの場所で感動したから余計にそう確信します。それと…「令和」って名づけようかなと思っている技があります。最近の大一番でフィニッシュにつなげた技。思いつきでまだ一度しか使っていないので、次のビッグマッチに出すときは堂々と「令和」と命名しようかなと。

 ――リング以外では。例えば結婚とか…

 清宮 全然予定はないです。むしろ悲しすぎるくらいに何もない(笑い)。その前にちゃんとした大人にならないと。いまだに子供っぽい部分が抜けてない。酔っぱらって失敗したり…。これからは(スポンサーなど)目上の方とのお付き合いも増えると思う。きちんとした態度や話し方ができる、礼節を持った人間になりたいです。新しい時代もノアを応援よろしくお願いします!