新生プロレスリング・ノア初のビッグマッチとなった10日の横浜文化体育館大会で、GHCヘビー級王者・清宮海斗(22)が丸藤正道(39)を撃破して3度目の防衛に成功。新たな船出を飾った。

 天才の自在な攻撃に大苦戦となるも、不知火をチキンウイングで返すやそのまま投げ捨てる荒技も披露。最後は必殺の猛虎式原爆固めで大逆転Vを飾った。 

 試合後には「第1試合でくすぶっているヤツ、出て来い!」と叫ぶや、何と「グローバルタッグリーグ戦」(4月6日の大阪大会で開幕)のパートナーに拳王(34)を指名。「新しい景色を見るにはあなたの力が必要です」と訴え、元王者も「以前以上に輝いて、メジャーとして景色を変えていこうぜ」と応じ強力コンビが誕生した。

 2月からリデットエンターテインメント社がオーナー企業となり、この日から2000年の旗揚げ以来続いた団体ロゴとマット、テーマ曲は一新され、舞台装置や照明も斬新なものとなった。

 それでも大会冒頭では創設者の故三沢光晴さん(享年46)の映像と「三沢さんが安心して見届けてくれるようなプロレスを目指します」とのアナウンスが流れ、大歓声が巻き起こった。大会終了後には「三沢さん、新たな船出が始まってもあなたの勇姿は永遠に我々の胸に生き続けます」との趣旨の英文が入った緑色のテープが場内に噴射される演出もあった。

 団体としては、温故知新と同時に新しい時代を目指す姿勢が明らかになった。かじ取り役となった清宮は「みんなとまだ見たことのない新しい風景を見たい。(タッグリーグ戦後の拳王戦は)もちろん見据えてます」と誓いを新たにした。

 GHCタッグ選手権は、王者の「AXIZ」こと潮崎豪(37)、中嶋勝彦(30)組がエディ・エドワーズ(35)、マサ北宮(30)の越境コンビに大苦戦。それでも最後は、中嶋が北宮を大逆転のヴァーティカルスパイクで沈めて初防衛に成功した。

 GHCジュニア選手権は、田中稔(46)が王者・原田大輔(32)を撃破して第39代王者に輝いた。田中はメジャー3団体のジュニア王座を制圧して「新日、全日、ノア、W―1、ゼロワン、FMW…全部のジュニアを取ったぞ。次は現IWGPジュニア、世界ジュニア王者と勝負に出る」と高らかに宣言した。

 GHCジュニアタッグ王者の小川良成(52)、鈴木鼓太郎(40)組はタダスケ(33)、HAYATA(31)組を退けて初防衛に成功。テクニシャンの小川が足4の字固めでHAYATAを葬り、亡くなったばかりの魔王こと故ザデストロイヤーさん(享年88)へのレクイエムとした。