ノアのGHCヘビー級選手権(4日、東京・後楽園ホール)は王者の杉浦貴(48)が中嶋勝彦(30)の挑戦を退け、6度目の防衛に成功した。いよいよ第2次長期政権に突入したハレンチ王は、同王座最多防衛記録14回を樹立した第1次長期政権(2009年12月~11年7月)超えを狙う。さらには天龍源一郎(68)が持つメジャー3団体のヘビー級王座保持の最年長記録(52歳8か月)更新を誓った。

「黒い勝彦」の重い蹴りに、杉浦は防戦一方だった。25分過ぎにはまるで路上戦のような張り手10連打を浴びた。しかし最後は執念の左ストレート3発から、鬼の形相でアンクルホールド。挑戦者にマットを叩かせた。

 これでV6。最強チャレンジャーを退けたことで、新たな野望が芽生えた。かねて「50歳を超えても現役バリバリの自信はある」と公言するが、意欲をかき立てる発言があった。新日本プロレスの永田裕志(50)が、9月の東金大会でIWGPヘビー級王座の最年長記録更新を宣言した。

 これを受けた全日本プロレスの秋山準(48)も「IWGPと3冠、どっちが先に取るか勝負だ」と呼応。キャリアで後輩の杉浦が黙っているわけにはいかない。

「そういう話を聞くと俺も記録を残したくなる。プロレスを始めたのが遅いから、まだまだ全盛期って自信はある。今のペースで防衛を続ければ、50歳になる時期には20回は行くんじゃないの? そこまで行ったら最年長記録を狙いたいよね」

 IWGP(49歳11か月)と3冠ヘビー級(52歳8か月)の最年長記録はいずれも天龍が保持する。GHCは杉浦が48歳4か月で更新中。3大メジャーと呼ばれる王座の一角だけなく、狙いは大きく「日本記録」を更新するというのだ。

 30歳でデビューしてキャリアは18年。まだ伸びしろがあるという自負もある。8月31日の高山善廣興行(後楽園)では初めて女子選手との対戦を経験(杉浦、里村明衣子組VS佐藤光留、橋本千紘組)。「20代の女子(26歳の橋本)と肌を合わせるなんて公私ともに20代の時以来です、ハイ。やっぱり若い女子のエキスを…(中略)10歳は若返ったね、ムフフ」とハレンチ王らしく胸を張った。

「グローバルリーグ戦2018」(30日の後楽園で開幕)には王者として出陣する。「ベルトは磨いておくよ」。まだまだ時代は渡せない。