「懐かしかった。久しぶりに自分が求められているんだなという実感がありました。(KENTAのスタイルを)まだできるということも証明できた。温かい歓声、大声援…。(米国に)戻ってもそういう場所を探したい」とイタミは感慨深げな表情で丸藤正道(38)「デビュー20周年記念大会」(1日)での一戦を振り返った。

 古巣マットではKENTAの素顔に戻った。ひねりを加えたゴー2スリープなど、WWEでは封印している部分を34分12秒の死闘で一気に解禁。敗れはしたが、入場時と退場時、そして丸藤と熱い抱擁を交わした瞬間には嵐のような大「KENTAコール」が起きた。

 最大級の激闘を展開して自らのルーツも確認した。もちろんこれを最後の対戦にするつもりはない。「僕はあくまでWWE所属の選手なので」と前置きしながらも、こんなプランを明かした。

「可能ならばこういう形で(年に1~2回は)日本で試合ができればいいなとは思います。もちろんWWEが許可してくれればの話ですけどね。タイミングさえ合えば可能じゃないかなと思う」

 単にノスタルジアに浸りたいわけではない。日本へ“定期参戦”を果たすことが、WWEでの飛躍につながると信じるからだ。「原点回帰とでもいうんですかね。それでヒデオ・イタミという存在にも磨きがかかるんじゃないかと。『205 LIVE』が今の僕の主戦場ですから」と帰国早々にWWEで再びトップを狙う構えを明かした。

「先のことは誰にも分からない。だけど僕はヒデオ・イタミであり、KENTAであり、小林健太でもある。それは事実です」

 歴史的な再会マッチの実現が、新たな夢への号砲となりそうだ。