【ノア】団体への危機感の表れ 中嶋勝彦“黒”に染まった

2018年05月23日 16時30分

好青年の素顔を捨て去った勝彦

 方舟はこれでいいのか――。“黒い蹴殺戦士”に変貌を遂げたノアの中嶋勝彦(30)が22日、団体への危機感を募らせた。29日の東京・後楽園ホール大会でGHCタッグ王座奪還に臨むが、同大会で王者の杉浦貴(47)に丸藤正道(38)が挑戦するGHCヘビー級選手権開催に疑問を投げ掛けた。同時に中嶋は、現状打破のためにある決断を下したという。

 今シリーズの中嶋はまるで別人のようだ。29日にマサ北宮(29)とのコンビ「ジ・アグレッション」で挑戦するGHCタッグ王者の潮﨑豪(36)、清宮海斗(21)組との前哨戦では、顔面蹴りやヒザ破壊など非情攻撃に徹し「ダークサイド」な部分が前面に出たのだ。

 この日、千葉県内で取材に応じると、その真意について「勝つためです」と俳句より短い言葉で端的に説明。そこには15歳でのデビューから定着していた爽やかな好青年の姿はなかった。

 当然、最大の要因はマット上にあった。同日メインのGHCヘビー級戦では杉浦、丸藤という団体の象徴である2人が対戦するからだ。「危機感しかない。だって時代が戻っているわけだから。記念試合ならいいけど、目玉にしちゃいけないでしょ」という焦燥感から、自然と最近の「黒い行動」に出たのだ。

 2016年11月に新生ノアがスタート。まだ20代だった中嶋を筆頭に新たな中心選手の誕生が期待された。だが結局のところ「丸藤・杉浦時代」は継続していたことになる。そこで「まず俺とマサでタッグベルトを取り返す。そしてあの2人にはGHC戦を通じて意思疎通してもらい『丸藤と杉浦が組んで俺たちに挑戦してこい』と、こちらから言おうと思ってる。それが不可能なら(防衛戦の相手を探しに)外に行くしかない」との決意を固めた。

 特にGHC王者時代に対戦が実現せず、24日の全日本プロレス後楽園大会で3冠ヘビー級王者の宮原健斗(29)に挑戦する丸藤には「ハードスケジュールをこなすのは尊敬するけど、今のノアが不透明な中でよそに行く余裕はないんじゃないか?」という個人的な思いがある。「ベルトを取ることしか考えてない」とまずはGHCタッグ奪取に集中した中嶋。“黒い蹴殺男“は、新たな世代闘争を巻き起こす。