【新日】オカダIWGP防衛V12新記録の先 新日を「世界一」へまだ夢の途中

2018年05月05日 16時30分

棚橋(左)のハイフライフローをドロップキックで迎撃した

 新記録樹立だけでは満足しない。新日本プロレスのIWGPヘビー級選手権(4日、福岡国際センター)は王者のオカダ・カズチカ(30)が棚橋弘至(41)の挑戦を退け、同王座の最多防衛新記録となる「V12」の金字塔を打ち立てた。改めてIWGP史に名を刻んだが、記録はあくまで通過点。自身の使命と夢は別のところにある。今回の大一番を前にして世界最大のプロレス団体「WWE」を“視察”した際、それを再認識する出来事があった。

「V11」で並ぶエースの執念に最後まで苦戦を強いられた。おきて破りのツームストーンパイルドライバー、レインメーカーを決められ、強烈な張り手にがくっと腰を落とした。だが棚橋がスリングブレイドを狙ってロープに走ろうとしたところを逃さない。タイツをつかみ、強引に体を引き寄せる。そのまま乾坤一擲のレインメーカーを炸裂させて激闘を制した。
 これでIWGPの歴史に新たな1ページを刻んだが「記録にはこだわりはない」と人ごとのよう。最優先の使命はカネの雨を降らせ、新日プロを世界一の団体にすることだからだ。

 今シリーズ前のオフ、それを再確認した。先輩の中邑真輔(38)とかつてのライバル、AJスタイルズ(40)の試合を見るため、4月8日(日本時間9日)に行われたWWEの祭典「レッスルマニア34」(ルイジアナ州ニューオーリンズ)を訪れた。

 世界最大のプロレス興行を初めて会場で見た感想は意外なものだった。「一つの大会として会場とか演出とかはすごいなと思いましたけど。リング上は新日本のほうが面白いなと、逆に自信になりましたね。もっとすごいものなのかなと思っていたんですが『あれなら(自分たちも)行けるな』と思っちゃったんですよ。5年前、6年前のオカダが見たら『すごいな』って思ったかもしれないですけど、今の新日本プロレスの勢いなら、そんなに差を感じない」

 打倒WWEへの思いと自信を強める結果になったのだ。振り返ればV12の始まりは2016年6月の大阪城ホールだった。同年1月に中邑とAJが揃ってWWEに移籍し、この時期には団体に不安が広がっていた。

「やっぱりあの時から自分が新日本を引っ張っていかないとって思うようになりましたね。今回会ったときも『頑張れ』『頑張ってください』はお互い言わないですけど、中邑さんが活躍すればするほど負けじと盛り上げていきたいと思ってますよ」

 あれから約2年の時を経て「絶対王者」となり、自身と団体の成長をひしひしと感じている。新日プロは年間最大興行の1月4日東京ドーム大会を、20年大会で超満員にするという目標を掲げる。「やっぱりそこ(のメインイベンター)は僕じゃないといけないと思ってます。レッスルキングダム(1・4東京ドーム)をそういう(レッスルマニアに匹敵する)ものにしたいですし」。前人未到のV12も、まだまだ夢の途中でしかない。