新日本プロレスの矢野通(39)が23日、WWEの“黒いロックスター”中邑真輔(38)に金言(?)を送った。ともにCHAOSを立ち上げたかつての盟友は祭典「レッスルマニア34」で悪の道に走り、金的攻撃を多用。日本一の「金的マスター」は、中邑の変貌に隠された意図を独自分析するとともに「グレイテスト・ロイヤルランブル」(27日、サウジアラビア)でのWWE王座取りに太鼓判を押した。

 変貌を遂げた中邑の行動には、藤波辰爾(64)と元WWF世界ヘビー級王者ボブ・バックランド(68)が「ああいう行為は必要ない」と発言するなど賛否両論が巻き起こっている。だが矢野は「居場所をつくる上では何でも(使う)ってことだろうし(競争の激しい)向こうではなおさらなんでしょう」と理解を示す。

 さらに恐らくは日本…いや世界でも一、二を争う金的の名手から見ても、中邑の急所攻撃は完成度が高いという。「がっつりいってたなと。いい金的だね! ワールドワイドにしてくれてありがとう」と絶賛した。

 実はCHAOSで共闘していた時期は、矢野の金的から中邑のボマイェ(現在の名称はキンシャサ・ニー・ストライク)という連係が猛威を振るった。また矢野自身もAJとの対戦で金的は有効とのデータも得ていた。「というか男相手なら全員に有効なんだけどな。実際には相手を中腰にするという意味で(キンシャサに)うまくつながっているのかも。レフェリーにバレたら反則? うるせえな、バレなかったら反則じゃねえんだよ。彼のクリエーティブなところは僕の想像以上のところにある。使えるものを有効に使えば…。その道を切り開くカギになるかもしれないね」

 サウジアラビアでAJとの再戦を控える中邑を後押しし、日本人初のWWE世界王者誕生に期待を寄せた。この日の東京・後楽園ホール大会ではもはや職人芸の域に達した金的からの丸め込みで真壁刀義(45)を沈め、元盟友へのエール代わりの勝利を収めた。