新日本プロレス「NEW JAPAN CUP」覇者のザック・セイバーJr.(30)が22日、「2代目キング・オブ・ストロングスタイル」襲名に名乗りを上げた。

 トーナメント1回戦の内藤哲也(35)から決勝戦の棚橋弘至(41)まで立て続けに優勝候補を撃破。殊勲の連続で頂点に駆け上がったザックはこの日、4月1日両国国技館大会でIWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ(30)に挑戦することが正式決定した。

 変幻自在な関節技に特化した独特なファイトスタイルには絶対の自信を誇る。「オカダはギブアップでベルトを失う。新日本はもともとサブミッションをベースとしたレスラーが多かったのに(今の姿は)どうしちゃったんだ」と苦言を呈した。さらには「ストロングスタイルとは俺のことだ。新日本の道場で練習していないが、俺のほうがそれを理解している」とまで言い切った。

 くしくも両国決戦は、その言葉を実践する絶好の舞台となる。2012年にレインメーカーとして凱旋帰国して以降、オカダからギブアップ勝利を奪ったのは、かつてキング・オブ・ストロングスタイルと呼ばれた現WWEの中邑真輔(38)1人のみ(15年のG1公式戦)。

 ザックは「そのことはとても面白い事実だと思う。(中邑の移籍は)新日本がルーツを失ったということ。そして今は誰も継承していない。だがまさに俺のスタイルが、新しい時代を到来させるんだ」と断言。レインメーカーから一本勝ちを奪い、自身がストロングスタイルの後継者にふさわしいことを証明するつもりだ。

 狙うは史上初の英国人IWGP王者。

 温故知新の精神を体現する男が、快挙と同時に新日プロの伝統の再構築を目指す。