新日本プロレス6日の後楽園大会で、IWGPタッグ王者のEVIL(31)、SANADA(30)組がオカダ・カズチカ(30)、後藤洋央紀(38)組を退けて初防衛に成功した。10日の大阪大会ではEVILが後藤のNEVER無差別級王座に、SANADAがオカダのIWGPヘビー級王座に挑む。2冠王に王手をかけたEVILは、パートナーとのダブル王座戦の野望を明かした。

 シングル王者コンビを挑戦者に迎えたEVILとSANADAは15分過ぎに勝負に出た。まずはSANADAがおきて破りのレインメーカーでオカダをリング上から排除。孤立した後藤に合体技のマジックキラーを決めると、最後はEVILが必殺のEVIL(変型大外刈り)を炸裂させて3カウントを奪った。

 この日の勝利で今度はEVIL、SANADAがいずれも“2冠王”に王手。揃ってシングル王座に挑戦する大阪決戦に向け、最高の形で弾みをつけた。だが邪悪なる王の真の野望は、NEVER王座奪還のみにとどまらなかった。「死にぞこないの後藤からベルトを取っただけで、2冠王になるだけで、キング・オブ・ダークネスの支配が終わると思うなよ。大阪ではロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンがCHAOS(とのシングル5番勝負)に全勝する。そうなった暁には、俺とSANADAで戦うのも面白いんじゃないか?」と豪語した。

 EVILの最終目標はあくまでIWGPヘビー級王座。そのベルトをパートナー・SANADAが手にすれば、狙いに行かない理由はない。昨夏のG1クライマックス公式戦では苦杯をなめたSANADAの実力は誰よりも認めており、雪辱の機会としても絶好の状況となる。「俺はこのタッグのベルトの価値も爆発的に上げると宣言していた。IWGPタッグ王者同士、IWGP対NEVER…これ以上のシチュエーションはないだろう」と、計4本のベルトを保持する王者同士のダブルタイトル戦を見据えた。

 試合後のリング上では松山千春式の持ち方でマイクを握り「おい後藤、俺のほうがお前より強えんだよ。よく、覚えておけ」とアピールし、王者を挑発したEVIL。初防衛は、団体内の勢力図を変える野望の序章に過ぎない。