新日本プロレス来年1月4日東京ドーム大会でクリス・ジェリコ(47)とのV4戦に臨むIWGP・USヘビー級王者ケニー・オメガ(34)が21日、揺るぎない自信を見せつけた。11日福岡大会と翌12日の会見で2度の乱闘を繰り広げた両雄の試合はノーDQマッチ(反則裁定なし)となることが決定。予想外の展開を見せる王座戦だが、王者は勝利を信じて疑わない。その根拠とは――。

 世界中のプロレスファンの注目を集めるドリームマッチは意外な展開を見せている。福岡大会でのジェリコの襲撃から遺恨が深まりノーDQマッチの採用が決定。ケニーは「どっちがベスト・イン・ザ・ワールドかというテクニカルな試合になると思っていた。だが普通の試合はもうできない。いまさらジェントルマンな対決をしようとしても、それは選手の本当の気持ちではない」とルール変更を受け止めた。

 ジェリコにペースを握られたまま、あえて得意とは言えない土俵に上がる理由は、王者としての誇りだけではない。「俺はもっと世界に新日本を広げたい。ジェリコが来てそのタイミングは早まった。一度地獄に行かないといけないかもしれないが、今回のような試合で舞台を広げられるなら、俺はそれを望んでするよ」と覚悟を明かした。

 もちろん不得手な試合でも勝算は十二分にある。ケニーは「WWEの技は単純でインパクトもあまりない。ジェリコは片翼の天使やVトリガーを受けたことがない。(中邑)真輔と試合をしたけど、俺の意見ではキンシャサ(ボマイェ)よりVトリガーのほうが強い。彼が新日本を去ったあとの2年間も、日本のプロレスは進化していることを見せたい」と揺るぎない自信をうかがわせた。

 初来日から9年間日本で戦い続けるケニーにとって、WWEスーパースター・ジェリコとの王座戦は自身の信念をかけた大一番となる。

「俺にはなぜみんなそこ(WWE)に行きたがるのか分からない。俺たちが、そしてケニー・オメガが世界一と信じている。ビンス・マクマホンの親友のような人に負けていたら、それが間違いということになる。ビンスにもトリプルHにも、WWEしか見たことがないファンにも、今回の試合で本当のトップクラスのレスリングを見せてやりたい」

 こう豪語したケニーは、この日一時母国・カナダへ帰国。ドームへ向け万全の調整を約束し、機上の人となった。