新日本プロレス来年1月4日東京ドーム大会でジェイ・ホワイト(25)とのV4戦に臨むIWGPインターコンチネンタル王者・棚橋弘至(41)が30日、挑戦者に“見返り”を要求した。凱旋帰国間もないジェイのIC王座挑戦は、王者サイドからすればまさに「ハイリスク、ノーリターン」。納得しがたい不公平感と、新日マットのあしき慣習を同時に解消させる妙案とは――。

 ドーム決戦のカードがすでに決まっている棚橋は、現在開催中の「ワールドタッグリーグ」(WTL)に不参戦。一方で挑戦者・ジェイはシリーズにすら参加していないため、前哨戦も行えない日々が続いている。そんな中、冷静に状況を分析すると「モチベーションは高いですよ。ただあるときに『あれっ?』と気づいたんですよね…。これ、ハイリスク、ノーリターンだなって」。遅まきながらV4戦の理不尽さを感じ取ったという。

 仮に16歳の年齢差マッチで敗れれば世代交代が強烈に印象付けられてしまう。一方のジェイは凱旋帰国からいきなり年間最大興行でIC王座挑戦という破格の待遇だが、新日プロ内での実績は皆無に等しい。周囲から「勝って当然」と見られる棚橋が負けた場合に失うものはあまりに大きすぎる。

 そこで棚橋は見返りとして、現在一匹狼のジェイの“身柄”に着目。「(自分が勝ったら)俺の軍門に下れ、と。本隊に入れて俺がキッチリ育て上げてやる。本隊の高齢化も進んでますし…(苦笑い)。凱旋帰国、反体制入りの流れにくさびを打ちますよ」と要求した。

 キッチリ育ったからこその凱旋帰国なのでは?という疑問はさておき、近年の新日プロでは海外武者修行から帰ったレスラーがCHAOSやLIJの反体制ユニットに入るケースが常習化。一向に即戦力が獲得できない本隊は育てたヤングライオンがことごとく流出し、主力は高齢化という悪循環が続いた。

「今まで凱旋帰国を見てきたけど、この破格の扱いはオカダ(カズチカ)以上。それだけ会社の期待が高いということ」と評価するジェイが本隊に加われば戦力アップは確実。棚橋にも、ベビーフェース不遇の時代に終止符を打つという“リターン”が生まれるというわけだ。

 この日の後楽園大会ではタッグ戦でLIJと対戦。ドラゴンスクリューを決めるなど軽快な動きで好調をアピールした。