新日本プロレスの内藤哲也(34)が18日、米国・ロサンゼルス大会(7月1、2日)で新設されるIWGP・USヘビー級王座の「即封印」を示唆した。自らの意思に反して初代王座決定トーナメントにエントリーされた内藤は、またもや不満爆発。創設理由が不明瞭な新王座は不要と切り捨て、トーナメント優勝後はベルトを破棄する意向を明かした。

 内藤は11日の大阪城大会で棚橋弘至(40)に敗れ、IWGPインターコンチネンタル王座から陥落。要求が無視されるたびに文句をたれる悪夢のループはついに終焉した…かに思われたが、新たな問題が起こるのに時間はかからなかった。US王座の初代王者を決めるトーナメントで出場8選手の中にエントリーされたのだ。

 そもそも内藤はIC王者時代にUS王座新設に疑問を呈し、ベルト過多を理由にIC封印を掲げた。そのプランが失敗した直後にこの“仕打ち”とは…。新シリーズ開幕戦となったこの日の新潟・胎内大会で内藤にUSトーナメントに関する取材を申し込むと「あれは怪文書みたいなものだから」と一蹴された。だが、公式ホームページを“再調査”した結果、やはり正式なリリースによる発表だったことがわかり「これは会社の最高レベルが言ってるの? 木谷(高明)オーナーのご意向ってこと? マッチメークがゆがめられてしまっている」と憤った。

 近年起きている新日マットのベルト増加傾向を批判してきた主張は、今も変わらない。「IWGPが一番なら、他のベルトはいらないわけだからね。US王座とは一体何なのか、会社もちゃんと説明するべき。やってる側も見てる側も『?』でしかないし、モチベーションも上がりようがないでしょ」と不満を爆発させた。

 出場をボイコットするのは簡単だが、それでは問題の根本的解決にならない。「出るからにはそりゃ優勝を狙うけど、その代わりベルトがどうなるかまでは保証できないよ。言っておくけど、俺がUSヘビー級王者として防衛戦をすることはないから。だっていらないんだもん。米国の川にでも投げ捨ててこようかな」と不敵な予告。US王座は新設初日に消滅という最悪の事態となる可能性まで浮上してきた。

 この日は10人タッグ戦で軽快な動きを披露し、好調をアピール。ICを失ったとはいえ、制御不能男の勢いは衰えていない。