新日本プロレス「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」が17日、後楽園ホールで開幕し、IWGPジュニアヘビー級王者の高橋ヒロム(27)はAブロック公式戦でドラゴン・リー(22)に敗れてまさかの黒星発進となった。またBブロックでも前王者のKUSHIDA(34)がエル・デスペラード(年齢非公表)に不覚。ジュニアの祭典は波乱の幕開けとなった。

 序盤から場外への飛びつきフランケンシュタイナーなどリスク度外視の大技を繰り出すリーに対し、ヒロムはセカンドロープから飛びついてのカナディアンデストロイヤーを発射して反撃。だが必殺のTIME BOMB(変型シュバイン)を阻まれると、逆に体をコーナーマットに投げつけられてしまう。最後はドラゴンドライバー(飯伏幸太のフェニックスプレックスホールドと同型)でマットに叩きつけられて、まさかの黒星を喫し無言で会場を後にした。

 今年の1・4東京ドーム大会でジュニア王座初挑戦初戴冠を果たしてV4中のヒロムは、今大会の優勝候補最右翼。全勝優勝からIWGPヘビー級王座挑戦の野望も掲げていた。くしくも6月11日大阪城ホール大会の次のIWGP戦は、現地時間7月1、2日の米国ビッグマッチ(ロサンゼルス)での開催が決定したばかり。ヒロムはこの日の試合前も「自分は生涯ジュニアですけど、常にジュニアの地位向上を考えてます。俺がジュニア王者のまま、アメリカでヘビー級に挑戦したら大爆発させることができる。相手はオカダ・カズチカでもケニー・オメガでもどちらでもいい」と語っていた。

 だが開幕戦で海外遠征時代のライバルにいきなりの敗戦。海外での壮大な青写真にばかり気を取られ、目の前のリーグ戦で油断してしまっていたのか…。凱旋帰国後、連勝街道を突き進んできたヒロムが、甘くはない現実を突きつけられた。