新日本プロレス29日大分・別府大会でIWGPインターコンチネンタル(IC)王者の内藤哲也(34)に挑戦するジュース・ロビンソン(28)が、大一番に懸ける思いを明かした。

 2015年にWWE・NXTを退団したジュースは新日プロ道場に入門。異国でキャリアを積み直した苦労人は、初のビッグマッチでのメーンイベントとなるIC王座戦を「レスラー人生最大のチャンス」と公言する。

 異国でプロレスに打ち込む間に悲しい出来事もあった。昨年末、遠く離れたシカゴで生活していた母・マーシャさんが60歳で他界。「脳の病気を長く患っていたんだ。ちょうど1・4ドームの前だったから、実家に帰っていて最後に会うことができた。プロレスについては何も言われることがなかったけど、立派な人間になることを教えてもらった。もしも俺がICのベルトを取ったら、きっと彼女も喜んでくれると思う」

 今年に入りジュースは2月にNEVER無差別級王座初挑戦、3月は「NEW JAPAN CUP」初出場と急成長を遂げてきた。ひたむきな挑戦と躍進の裏には、天国の母に日本で獲得した勲章をささげたいという思いがある。

 だからこそ何度もチャンスを逃してはいられない。「ファンの人たち、そして尊敬する棚橋(弘至)や、指導をしてくれた道場の先輩たちにも恩返しがしたい」とIC王座初戴冠を誓う。「もしもベルトを取れたら、いつかケニー・オメガとタイトルマッチをしたい。一番強くて、有名で、人気のある外国人選手が彼だ。今度は俺がその存在になるんだ」と豪語した若き挑戦者が、制御不能王者に立ち向かう。