新日本プロレス9日の両国国技館大会で行われたNEVER無差別級選手権は、王者の後藤洋央紀(37)が鈴木軍のザック・セイバーjr.(29)を退けて3度目の防衛に成功した。だが、タイトル戦に介入してきた敵軍のボス・鈴木みのる(48)には怒り心頭で、試合後はV4戦での制裁を決意した。

 勝利の余韻に浸る時間はなかった。難敵を沈めた王者はすぐさま行動に出た。死守したベルトを手にするや、場外にいた男に誇示した。視線の先はみのるだ。性悪王も即座にリングインし、激しいエルボー合戦を展開。セコンド陣が慌てて2人を引き離したが、激高した荒武者は完全に理性を失っていた。

「初めて俺のほうから(挑戦者を)指名してやるよ!」

 かつてノアの常連外国人だったザックは、欧州スタイルのサブミッションと打撃を得意とする英国戦士。これまでとは明らかにタイプの違う挑戦者に、後藤は苦しい展開を強いられた。ジムブレイクスアームバーで左腕を決められ、ヘビのように手足にからみつかれては、複雑な関節技の餌食になった。

 しかも反撃に出ようとした瞬間に、みのる率いる鈴木軍がレフェリーの目を盗んで乱入。これで防戦一方だった王者のスイッチが入った。みのるを牛殺しで蹴散らすと、裏GTRから正調のGTRにつなげてザックを沈めた。

 試合後のバックステージでは、終わったばかりのV3戦について語ることもなく「次、鈴木みのる! いつでも来い!」と叫んで控室に姿を消した後藤。鈴木軍のボスに引導を渡すまで、戦いは終わらない。