新日本プロレス5日の北海道・北海きたえーる大会で鈴木みのる(48)とのV3戦に臨むIWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ(29)が1日、10年前の報復を誓った。挑戦者を「嫌い」と公言する根底には“世界一性格の悪い男”とのファーストコンタクトの苦い記憶がある。当時の屈辱を、今度は真逆の立場で味わわせるつもりだ。

 性悪男との王座戦決定当初から、オカダは「いつまでたっても鈴木みのるというレスラーは嫌い」と公言してきた。両者の因縁は深く、その始まりは、実にオカダが新日プロに入門する前の闘龍門メキシコ時代にまでさかのぼる。

 当時、まだ19歳だった「岡田かずちか」は、2007年5月13日にウルティモ・ドラゴン主催興行「ドラゴマニア」の8人タッグ戦でみのると初対決。前年に東京スポーツ新聞社制定プロレス大賞MVPを獲得して業界トップに君臨していたみのるに、格の差を見せつけられた。オカダは「さんざんボコボコにやられましたから。ケチョンケチョンでした」と、若かりし日の屈辱を振り返る。この記憶がみのるへの憎悪につながっていることは想像に難くない。

 その後のシングル戦では2勝1敗と勝ち越しているものの、まさかあれから10年後にIWGPをかけて戦うことになるとは…。オカダは「だからこそ(みのるは)元気だなと思いますけどね。まあ僕も業界トップの自負はありますし。今の鈴木軍の勢いは認めますけど、シングルマッチとなれば僕が10年前に鈴木さんにボコボコにされたように、今度は僕が鈴木さんをボコボコにしてやろうかなと思います」と、かつての仕打ちをそっくりそのままお返しすることを予告した。

 1月4日の東京ドーム大会で繰り広げたケニー・オメガ(33)との壮絶死闘は海外でも高い評価を得た。だが今回オカダが狙うのは、今や3度のMVPを獲得した自分とみのるが、10年前とは立場が完全逆転した事実を見せつけることだ。「ドームのようなハイレベルな攻防は期待しないでもらいたいですね。残念ながらそれが現実なんです」と、一方的に相手を叩きつぶす“性悪化”も辞さない覚悟を明かした。

 この日の青森・弘前大会では8人タッグ戦で鈴木軍と対戦。勝利は逃したものの、みのるにドロップキックを決めるなど軽快な動きを見せて決戦へ弾みをつけた。