新日本プロレスの柴田勝頼(37)が29日、来年1月4日東京ドーム大会での「王座戦ダブルヘッダー」を予告した。永田裕志(48)と「ワールドタッグリーグ」制覇を狙うNEVER無差別級王者は、優勝後のIWGPタッグ王座(現王者はタマ・トンガ、タンガ・ロア組)挑戦の舞台をドーム決戦に指定。同大会ではシングル王座防衛戦が確実視されているが、やみくもに破天荒なプランを掲げているわけではない。その胸中は――。

 柴田組はBブロックで連敗発進からの2連勝で巻き返しに成功。優勝が視野に入ってくると同時に、一つの悩みが生まれた。柴田はNEVER王座と英国・RPWブリティッシュヘビー王座のシングル2冠を保持。ドーム大会ではNEVER王座戦の開催が通例となっており、その場合は同大会でタッグ王座挑戦がかなわない。

 これはリーグ戦に参戦する全シングル王者に共通している“難題”だが、すでにV2戦が決定済みのIWGPインターコンチネンタル王者の内藤哲也(34)はドーム大会で挑戦が不可能なチームは「どの大会でタッグに挑戦するか事前に提示すべき」と提唱。また、相棒の永田でさえも「俺自身、東京ドームに出たい気持ちはあるけど、そこ(どちらの王座戦を優先するか)は柴田に選んでほしい」と今年自身が柴田と争ったNEVER王座に“敬意”を示した。

 しかし「ザ・レスラー」を標ぼうする柴田は常識の範囲にとらわれない。「内藤はいいこと言ったね。賛同するつもりはないけど、俺はドームでどっちもやる。内藤は(タッグ挑戦時期を)2月と言ってるし、(IWGPヘビー級王者の)オカダ(カズチカ)は1月5日(後楽園)と言ってるけど…いやいや、1・4でしょ」とキッパリ。ドーム決戦でまさかの王座戦ダブルヘッダーを見据えているのだ。

 決して単なるリップサービスではない。今年の柴田はNEVER王座戦だけで11度、海外遠征時の他団体王座も含めると実に年間15度もシングルタイトルマッチを行う超過密日程をこなしてきた。加えてタッグでは永田への揺るぎない信頼もある。「こんなにタイトルマッチやってたら1回も2回も一緒だ。2日に分ける必要もない。(ドームは)2試合あるものと考えてこのリーグ戦を勝ち上がる。その結果タッグにも熱が生まれるなら、それでいいと思いますよ」と破天荒プランの実行に自信をのぞかせた。

 最初から無理と決めつけるなど、まっぴらごめん。柴田がタッグリーグ戦を制し、年間最大興行で「ザ・レスラー」の矜持を示す。