獣神サンダー・ライガーが気になる話題やプロレス観を語る「獣神激論」。今回は21日に幕を閉じた新日本プロレス「G1クライマックス」を大総括だ。負傷により優勝決定戦で無念のレフェリーストップ負けを喫した飯伏幸太(39)に熱いエールを送る一方で、7年ぶり3度目のG1覇者となったオカダ・カズチカ(33)についても徹底解説。また、サプライズ登場した柴田勝頼(41)を、世界の獣神はどう見たのか――。


【世界のレジェンド ライガーが語る獣神激論(14)】「G1」が終わりました。優勝決定戦では飯伏選手が負傷してしまい、レフェリーストップ負けとなってしまった。残念に思う人もいたと思うけど、僕はあの結果を見て、今のプロレスのレベルの高さというか、あそこまでやらないと勝てないんだという過酷さを改めて思い知りましたね。命をかけて体を張ってるんだっていうことを、皆さまも分かってくれるんじゃないかな。

 飯伏君にはお疲れさま、よくやりましたと言うしかないですよ。まだ若いじゃない。まだまだチャンスはあるし、レスラー人生は長いんだから。ケガをしてしまったならしょうがない。しっかり治して帰ってきてほしい。不完全燃焼だなんだって言われても関係ない。完全燃焼しようとしたからこその結果なんだから、そのことでどうのこうの思い悩む必要もない。逆にあの技を出さなかったら、不完全燃焼だったかもしれないしね。

 優勝したオカダ選手は権利証ではなく、旧IWGPヘビーのベルトを俺に渡せと言った。これは僕の予測ですけど、今IWGP世界のベルトを鷹木信悟選手が持っていて、米国ではウィル・オスプレイ選手が「俺が王者」と言っている。この三つどもえで真のIWGPのチャンピオンを決めりゃいいんじゃないか、くらいのつもりで言ったんじゃないかな。

 今大会のオカダ選手を見てて、本当に底が見えないよね。どんだけ強くなるのよ、お前って。マネークリップという技を完全に習得した上でレインメーカーの封印を解いたんだから、鬼に金棒状態ですよ、今は。ニューレインメーカーですよね、完全に。相手選手からいったら怖いよ。

 他にG1で目にとまったのはザック・セイバーJr.だね。ここまで伸びるとは思わなかった…本当に僕の目は節穴です。彼のすごいところは、タッグプレーヤーとしてもシングルプレーヤーとしても一流なところ。体格的に恵まれた選手ではないのにこの成績なんだから。

 あとはタマ・トンガ。あの下半身はかなりの高重量で練習してると思うし、相当走ってると思う。そうじゃなきゃ説明できないね。それがオカダ選手の連勝を止めたっていうね。この2人の今後は楽しみだわ。

 それから柴田勝頼選手が、最終日にエキシビションで登場しました。欠場の原因(急性硬膜下血腫)が原因なだけに気をつけてほしいし、ドクターとトレーナーときちんと話をして復帰に向けた動きを進めていくと思うんだけど、あれだけの歓声ということは、ファンも望んでいたということ。柴田君らしいよね、派手なことはしないでじっくりじっくり治して、今の俺を見てくれって出てきて。一歩一歩、石橋を叩いて渡るくらいの覚悟でやってほしい。来年の注目になるんじゃないかな。

 これ本当、話してるだけでも、今後が楽しみになってくるね。新日本からますます目が離せないね。(随時掲載)