新日本プロレス最高峰のシングルリーグ戦「G1クライマックス」(18日、エディオンアリーナ大阪で開幕)に臨む飯伏幸太(39)が、史上初となる3連覇への思いを語った。誤嚥性肺炎による欠場から4日のメットライフドーム大会で約2か月ぶりに復帰を果たし、祭典での完全復活へ意欲。蝶野正洋、天山広吉の歴代夏男の歴史を塗り替え、自力で東京ドームのメインイベントに戻る。

 復帰戦となった4日のメットライフドーム大会飯伏は、IWGP・USヘビー級王者の棚橋弘至に挑戦。だが王座取りに失敗し「今できる100%は出し切ったけど…本当の100%にはほど遠いなと。(完璧には)戻ってはなかったですね、実際。棚橋弘至の幅広さというか、懐の深さでも完敗だった。改めて(棚橋は)すごいなと」と課題を残す結果となった。

 とはいえ開幕を直前に控えるG1を見据えれば、荒療治による収穫もあった。「1戦やってるからね、タイトルマッチを。だから復帰戦がシングルマッチでよかったなって。今思うと」と、大一番を経験できた手応えをアピール。今後の調整でG1までには欠場前の100%の状態に戻す。

 昨年大会で蝶野、天山に続く3人目の連覇達成者となった飯伏には今年、大会史上初となる3連覇の偉業がかかる。昨年大会の優勝決定戦の解説を務めた蝶野からも「新しい時代をつくるという意味では3連覇をやるべき」とエールを送られている。

 その期待に応えるべく、飯伏は「(準優勝の18年大会から)4連続の優勝決定戦に勝って、3連覇となったら誰も果たしてないこと。新しい夏男として認められたい。これができればそうなると思ってるし。今までG1と言えば蝶野さんという印象が強かったけど、時代とともに常に進化して変えていかないといけないわけだから。更新していかないと」ときっぱり。3月の2冠統一からの初代IWGP世界ヘビー級王者認定に続き、G1でも新たな歴史をつくるつもりだ。

 G1覇者には来年1月4、5日東京ドーム大会でのIWGP世界王座挑戦権利証が与えられることが通例となっている。7月25日東京ドーム大会で現王者・鷹木信悟に挑戦が決定しながら無念の欠場となった飯伏にとっては、アクシデントで閉ざされた扉を自力でこじ開けるチャンスだ。

「直結しているというか。(秋開催の)ここ2年は、G1からドームまでの期間がさらに短くなっているし。ここで勝っておけば、より近道なんじゃないかと」と表情を引き締めた。

 祭典では切磋琢磨してきた鷹木、内藤哲也という同い年2人と同じAブロックにエントリーされた。「ここは(昭和)57年会の初期メンバーだから。これはみんな意識してるでしょ、絶対。まずはこの2人に負けたくない。それが前提として。他にも楽しみな選手がいっぱいいますね」。数々の試練を乗り越えてきたゴールデンスターが〝得意舞台〟で完全復活を果たす。