新日本プロレスのミスターこと永田裕志(53)が、NEVER無差別級6人タッグ王座(現王者は後藤洋央紀、石井智宏、YOSHI―HASHI組)奪取へ秘める思いを明かした。7月2日の東京・後楽園ホール大会では天山広吉(50)、小島聡(50)との第3世代トリオでベルトを巻き、世界中に健在ぶりを証明する。同時に引退した野人・中西学(54)にもエールを送るつもりだ。

 永田は5月に米AEWマットでIWGP・USヘビー級王者ジョン・モクスリー(35)に挑戦。白目式腕固めで全米を震撼させ、特大のインパクトを残した。同時期に米国遠征した小島とは、シリーズ合流を前に「せっかく米国で頑張って戦ってきたんだから、何かやりたいね」と計画を立てていたという。

 第3世代トリオでのタイトル挑戦は今回が初で、反響も大きかった。ミスターもファンからの期待をひしひしと感じている。「タイトル戦線から引いた中でも日々の試合で手を抜かず、限られた時間で健在ぶりを見せてきた。老け込む年ではあるんだけど、まだまだ老け込む力量ではないということをファンが認めてくれてるんだよね、反響が出るということは」と胸を張る。

 王者組の石井からは「元IWGP王者、元G1覇者、そのクソの役にも立たない肩書にしがみついてるだけ」と辛辣な言葉を浴びせられた。だが永田はこれに猛反論する。「本当にそうならファンの後押しはこないでしょ。石井は体も小さければ心も小さく、視野も狭いね。自分のことで精一杯で、若手育成とか会社全体、業界全体のことをまるで考えてない。自分に自信を持つのはいいことだけど、自分だけがのし上がるって時代じゃないんだよ」

 同世代の中西は昨年2月に引退した。それでも第3世代ここにありを証明するためには、3人の力を合わせベルトを取ることが最適な手段となる。「NEVER6人がレスラー人生最後の花道ではなく、次に向けての大きなステップにするために勝ちますよ。中西学も応援してくれるんじゃないかな。多忙で会場には来れないようだけど、俺たちが世間を動かすことで彼の耳に伝われば。第2の人生も頑張ってほしいしね」と強い決意を口にした。

 合計153歳のベテラントリオが戴冠すれば、文句なしの同王座最年長記録となる。「やっぱりこの3人で勲章は欲しいよね。テンコジも50代になって、ある意味で日本人に『やればできる』ってことを実践できる人間になってきたわけだから。世の中の見方を変える大きなチャンスだしね」。酸いも甘いもかみ分け長年団体を支えてきた男たちが、後楽園決戦で矜持を示す。