二の舞いは許さん。新日本プロレスのIWGPタッグ王者タイチ(41)が、次期挑戦者候補の内藤哲也(38)、SANADA(33)組に“腰掛け禁止令”だ。シングル戦線で実績のある2人の参入を歓迎する一方、棚橋弘至(44)、飯伏幸太(39)の「ゴールデン☆エース」を反面教師に、ベルト取り失敗後も活動を継続するよう命じた。

 1日にザック・セイバーJr.(33)とのコンビで王座返り咲きを果たしたタイチは、内藤、SANADA組から挑戦状を叩きつけられた。「シングルの実績は十分だし、そういう者同士が組んで来てほしかったってのはもとからあった。そういう意味ではゴールデンボールズ(ゴールデン☆エース)はよかったんだけどな。逆に後藤(洋央紀)、YOSHI―HASHI組なんかはもってのほかであって」と、無駄に流れ弾を飛ばしつつ歓迎の意を示した。

 一方で約10年間もタッグ王座戦線から遠ざかっていた内藤の参入は唐突な感も否めない。タイチは「なぜ急に出てきたのか、単純にタッグが魅力的だっていうなら全然オーケー。そうじゃなくてシングルへの足掛かりとでも思ってるのか、鷹木(信悟)が(IWGP世界ヘビー級王座を)取ったから焦ってんのか…」と邪推。もしも不誠実な態度が見えた場合は即、挑戦者を川田利明(57)、田上明(60)組に変更する方針でザックと意見が一致しているという。

 王者組が突き付ける挑戦条件は「腰掛け禁止」だ。「ゴールデンボールズみたいにタイトルマッチで俺らに負けたからってすぐ解散とかするなよ。来るならチャンピオンになれなくてもワールドタッグリーグまで出て、タッグを盛り上げる責任を果たせ。それでこそ本当のタッグチームだろ」

 年末恒例のリーグ戦は年明け1月の東京ドーム大会との兼ね合いもあり、シングル戦線でドームのカードが決定済みの選手が不参戦のケースが多い。昨年のタッグ戦線をにぎわせたゴールデン☆エースも昨夏で活動を休止したため出場しなかった。この事実はいかにシングル戦線との両立が難しいかを示している。

「リーグ戦に出るかどうかで内藤の本当の気持ちが分かるんじゃないの。腰掛けみたいなことしてたら、それこそ全部、鷹木に持っていかれるぞ」。中途半端な覚悟では、タッグ戦線の敷居はまたがせない。