新日本プロレス4日の福岡国際センター大会で、IWGP世界ヘビー級王者ウィル・オスプレイ(27)が鷹木信悟(38)の挑戦を退け、初防衛に成功した。

 2019年の「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア」優勝決定戦から始まった両者の「名勝負数え歌」は、過去2勝1敗でオスプレイの勝ち越し。今年3月「NEW JAPAN CUP」優勝決定戦の再戦となった福岡決戦は、戦前の期待をも上回る超ハイレベルな攻防の連続となった。

 場外テーブル上への断崖式MADE IN JAPAN(変型ドライバー)という荒技を浴びたオスプレイだが、ダイビングショルダーアタックにカウンターのオスカッターを発射し主導権を渡さない。打撃合戦、リバースフランケンの応酬と、互いに譲らない意地の張り合いは、40分が経過してもさらに加速していく。

 ポップアップ式デスバレーボムで叩きつけられながらも、パンピングボンバーにカウンターのスパニッシュフライを決めて応戦。龍魂ラリアートにもジャンピングニーを浴びせて鷹木を攻め立てる。驚異的なタフネスを誇る挑戦者はなおもエルボー合戦、ヘッドバット合戦からラスト・オブ・ザ・ドラゴン(変型ドライバー)を狙うが、オスプレイは間一髪で阻止して後頭部へのエルボーからレインメーカーを発射。正面から顔面にヒドゥンブレイド(スライディング式バックエルボー)を叩き込むと、ついにストームブレイカーをさく裂させ、大死闘に終止符を打った。

 今年3月に新設されたIWGP世界王座の歴史に新たな、そして価値ある1ページを加えたオスプレイは「タカギ、アリガトウ。この団体は俺を頼りにしている。直前のカード変更があろうとも、俺の立つメインイベントはチケット料金に相応する価値があるんだ」と勝ち誇った。

 この日の勝利で29日東京ドーム大会ではオカダ・カズチカ(33)とのV2戦を行うことが決定。1月東京ドーム大会でオカダに敗れている王者は「ファンやオカダが納得いかなくても、IWGP世界ヘビー級王者はこの俺だ。東京ドームのメインイベントでオカダを倒し雪辱を果たす!」と宣言した。

 そのオカダはこの日の大会を欠場。大会前に確認された発熱者との試合に出場していたことからの処置と発表された。オスプレイは「次は東京ドームでだな。お前もしっかり休んでコンディションはいいはずだ。今日は試合がなくなり、結局会場にも現れなかったが、これで目が覚めたか? お前がニュージャパンの顔だった時代はもう過去のものだ。今は俺たちユナイテッドエンパイアが中心に立っている」と挑発。プロレス界の最大級イベント・東京ドーム決戦で新時代到来を証明する。