新日本プロレス26日の広島大会で、グレート―O―カーンが内藤哲也(38)に生き恥レベルの大惨敗を喫した。

「NEW JAPAN CUP」1回戦で初対決の内藤にレフェリーストップ勝ちを収めたオーカーンだが、これはたまたま相手が膝の負傷明けだったこともあってのダブル役満級大僥倖。本来であれば実力差は月とスッポンで、調子に乗ってリベンジマッチを受けてしまったがゆえに、厳しい現実に直面するハメになった。

 序盤から弁髪を掴まれたオーカーンは、リング内外を引きずり回される。情けない声をあげる姿に、観客も失笑をこらえきれない。その後も広島の大声援を背に受ける内藤の猛攻にさらされた。コロナ対策で声援が禁じられていても、目を閉じればオーカーンへのブーイングが聞こえる気がするから不思議だ。

 往生際の悪さも目についた。勝ち目などないのに長期戦に持ち込むと、カウンターの王統流二段蹴りで反撃に出て会場はゲンナリ。ここで人気VTuberにあやかり売名目的で開発した大空スバル式羊殺し(変型首砕き)で捕獲するが、内藤からギブアップを奪うなど夢のまた夢。直後に繰り出したのが猿真似のTTDでは、チャンスを自らドブに捨てるようなものだ。

 すでに内藤がエリミネーターは対策を練ってきていることに気付かない哀れなオーカーンは、注文通りに同技を繰り出してカウンターのデスティーノを被弾。その単細胞ぶりは愚民と呼ぶにふさわしい。最後は正調デスティーノで処され、身の程を思い知らされた。

 冷静に考えればプロレス大賞MVP3度獲得の内藤とは格が違うのだが、わきまえないオーカーンは自身の力を過信していた。前哨戦から散々ビッグマウスを叩き、揚げ句の果てには「余が負けたら内藤のTシャツを着て、東京武道館の前で丸武商店の唐揚げを食ってる写真をSNSに載せてやるよ」などと自信満々に吹聴していたが、勘違いも甚だしい。

 本人にも一応その自覚はあるようでバックステージでは「クソ…フンッ…。こんだけ、バカにしたヤツに負けたんだ。とんだ笑いもんだ。テメエが一番笑えるよ」と懺悔。「だがな、恥じた試合はしてねえつもりだ。胸だけは張らせてもらうぞ」と捨て台詞でごまかそうとしたが、公約していた内藤Tシャツを着用しての丸武商店行きはもちろん免れない。せっかくメインイベントで内藤相手に食い下がる実力があっても、もう少し自分を客観視する能力を磨かなければ、プロレス界はおろか一般社会でも生き残れないだろう。