新日本プロレスの5月4日福岡大会で鷹木信悟(38)とのV1戦に臨むⅠWGP世界ヘビー級王者のウィル・オスプレイ(27)が、新たな歴史をつくろうとしている。福岡決戦の勝者は5月29日東京ドーム大会でオカダ・カズチカ(33)との防衛戦が決定済み。2つの大一番へ気合十分なのは、勝たなければならない理由が目白押しだからだ。

「NEW JAPAN CUP」制覇の勢いそのままに最高峰王座を奪取したオスプレイは、同優勝決定戦の雪辱を狙う鷹木の挑戦を受けて立つ。「彼のことは十分認めているが、恐れはない。俺が偉大な王者になるための第一歩という意味で、歴史に残る戦いになるんじゃないか。過去の戦績でも重要な試合は俺が勝っているし、彼の方が重圧を感じていると思う」と返り討ちに自信をのぞかせた。

 福岡決戦の先には重要な戦いも控える。鷹木の強引な挑戦表明により、当初対戦を要求していたオカダの王座挑戦は東京ドーム大会で組まれた。「鷹木を軽視しているわけではない。想像以上の激しい試合になるだろう。だがそれを乗り越え、オカダとドームでまたやることに大きな意味がある。今年1月の東京ドームでは負けてしまったが、次は自分が勝つ」

 オスプレイはレスラーとして達成すべき目標をリスト化しており、その一つに「東京ドームのメインイベントでの勝利」という項目がある。近年の日本プロレス界で最大興行となっている東京ドームのメインで外国人選手が勝利したのは、2006年1月4日の“ビースト”ブロック・レスナー(43)が最後となっている。「レスナーに肩を並べるのは、俺がやるべきことのひとつだ。俺がレスナー以上のレベルにあることを証明するために、ドームのメインで勝つことは運命だと思っている」。ケニー・オメガ(37=AEW)やAJスタイルズ(43=WWE)も成し得なかったことを達成し、日頃主張する「レベルの違い」を示すつもりだ。

 また新設王座の価値を高めるためにも、前身のIWGPヘビーの象徴的存在だったオカダは格好の標的だ。「俺には新しい歴史をつくり上げる責任がある。もしオカダがまだIWGPヘビーのベルトに固執するのであれば、ドームに持ってきてもらっていいし、俺に勝てたらそれをあげてもいい。ただし俺が勝ったらIWGPヘビーを踏みつけた上でIWGP世界ヘビーのベルトをリング中央で掲げたい。俺が新しいものをつくる象徴だということを世界中に見せつけたい」と言い切った。

 新時代を築き上げるためにも、ベルトを失うわけにはいかない。難敵・鷹木を退け、オスプレイが夢舞台へと飛翔する。