新日本プロレス「NEW JAPAN CUP」1回戦(5日、東京・後楽園ホール大会)で、後藤洋央紀(41)がタイチ(40)を破り9年ぶり4度目の優勝へ好発進した。実に5年もIWGP戦線から遠ざかる荒武者の闘志を高ぶらせるのが、IWGPヘビー級王座とインターコンチネンタル(IC)王座を統一し初代IWGP世界ヘビー級王者となった飯伏幸太(38)の存在だ。〝元祖・統一提唱者〟が完全復活の誓いを明かした。


 互いに一歩も譲らぬ壮絶肉弾戦を展開した後藤は、タイチの天翔十字鳳をキャッチするとGTWを発射。最後はGTR(変型首砕き)で激闘に終止符を打った。

 NJC優勝者には4月4日の東京・両国国技館大会で飯伏の持つIWGP世界王座への挑戦権が与えられるが、IWGPとICの2本のベルトを統一して新設された同王座には賛否の声が上がっている。これについて荒武者は「いつかはこうなるかなと予測はしていたので。統一に関しても反対じゃないです。IWGP(の冠)は変わらないんですよね。IWGPが残っていればそれはいいのかなって思っていて。新日本の象徴なので」と肯定的なスタンスを示す。

 しかしその一方で「ただ一つ心残りがあるとすれば、統一を俺自身ができなかったこと」とも明かす。後藤は2012年にIC王者としてNJCを制し、同年5月にIWGPに挑戦した〝2冠〟の先駆け的存在。同じくIC王者時代の15年にはIWGPとの統一戦構想も掲げていた。

 ある意味で時代を先取りし過ぎた後藤だからこそ、飯伏の王座統一には果たせなかった野望を思い起こさせられ、刺激を受けたという。「素晴らしいと思いますよ。倒しがいもある。(最近は)シングルに全然絡めてなかったですし、2冠どうこうに入り込む余地もなかった。俺が言う資格もないのかなと。その資格を得るためには、このNJCですよ」と闘志を燃やす。

 2回戦(13日、愛知)ではオカダ・カズチカ(33)vs 鷹木信悟(38)の勝者と激突するが、後藤が熱望するのは16年2月に自身が最後に挑戦したIWGP戦以来となるオカダとの対戦だ。「あれで俺は自信をなくしてしまった。半分試合を覚えてないんです、記憶が飛んで。完膚なきまでに打ちのめしたのがオカダであって、あの試合からやってないので。トラウマを克服するために、オカダともう一度やる必要はあるだろうなと思いますね」

 歴代最多を更新する4度目のNJC制覇で、5年ぶりとなる団体最高峰王座戦線へ。天下統一の夢を再燃させた荒武者が、完全復活を果たす。