新日本プロレス5日後楽園ホール大会の「NEW JAPAN CUP」1回戦で、「KOPW2021」保持者・矢野通(42)がバッドラック・ファレ(39)を破って2回戦に進出した。

 開始前の奇襲でKOPWトロフィーを破壊された矢野は、ボディースラムを連発され苦戦を強いられた。エルボードロップを回避して逃げた先の場外でも鉄柵に叩きつけられてしまう。

 ならばと矢野はテーピングを取り出しリングアウト勝ちを狙う戦法に出る。これを奪われると逆にコーナー鉄柱にくくりつけられ、自身があわやリングアウト負けの危機に瀕するが、ここからが策士の本領発揮だった。ダメ押しの攻撃を狙ったファレを急所蹴りで悶絶させると、自身は両手をくくりつけられたまま20カウント以内に体をリングに戻して、逆転勝利を収めてみせた。

 試合後は壊れたKOPWトロフィーを両手に「この年端もいかない、まだ1歳にもなっていないんだぞ、お前ら! 1歳にもなっていない子供に、なんてことするんだよ! おい! いまリング上から(放送席に)語り掛けたらライガーさんが直してくれるって」と修理を依頼。NJC覇者には4月4日両国大会でIWGP世界ヘビー級王者・飯伏幸太(38)への挑戦権が与えられるのだが、そんな話題には一切触れることなく会場を後にした。なんとも腹の底が読めない策士が、このままスルスルと勝ち上がっていくのか――。