新日本プロレス28日の大阪城ホール大会が開催され、モンゴリアンチョップを失って迷路に迷い込んでいた天山広吉(49)が約1か月ぶりに必殺技を勝手に解禁。小島聡(50)との「天コジ」で「ユナイテッド・エンパイア(UE」のジェフ・コブ(38)、ウィル・オスプレイ(27)を撃破し、完全復活へ大きな一歩を踏み出した。

 天山はUEのグレート―O―カーンとの「敗者モンゴリアン封印マッチ」(1月30日名古屋)で敗退。30年以上も使い続けてきた得意技を失って以来、失意の日々が続いていた。UEがゴング前の奇襲を仕掛けるも、天コジはオスプレイを捕らえるとエルボーとダイビング頭突きの連係。小島は「俺がやる!」とモンゴリアンを放って盟友の奮起を促した。

 小島がコジコジカッターにオスプレイを決めて天山に勝負を預けるも、猛牛は脳天砕きから「シュッ」と掛け声を発しながら、やっぱり呪縛に捕らえられたかのように得意技は出せない。代わった小島がジェフにラリアートを狙うもオスプレイがカット。さらに天山はUEから屈辱のダブルモンゴリアンを受けて大の字となってしまう。まさにツームストーン…。

 ところがさすがにこの無法行為に怒った天山は、意を決したようにモンゴリアンチョップで敵軍を蹴散らしてしまう。水を得た猛牛、いや、魚のようにモンゴリアンを生き生きと放つ天山の姿はまさに完全復旧された世界遺産。涙なしでは見られない光景だった。

 すぐさま小島につなぐとアスレチック・プレックス(旋回式バックドロップ)をしのいだ小島がラリアート一閃。天コジが値千金の勝利を勝ち取った。

 約1か月ぶりに勝手に封印を解いた天山ではあるが、プロレス界において約束事など破るためにあるもの。O―カーンからの抗議や会社側からの厳罰は避けられないだろうが、1か月も苦悩を抱えて得意技を封印。敵軍にモンゴリアンを浴び続けても耐えてきたのだから「みそぎ」は十分に果たしたといっていい。久しぶりに笑顔で引き揚げた天コジ。ベテラン名コンビの反撃が始まった。

【天山の話】もう我慢の限界でした。誰か文句あるんやったら出てこいや。普通のモンゴリアンチョップちゃうねん。〝真モンゴリアンチョップ〟や。嘘も偽りもない真(まこと)の、真実の真や。真モンゴリアンチョップ、これ出したらお前らひとたまりもないてって。覚悟しておけ。蹴散らしてやらあ!