新日本プロレスのIWGPジュニアヘビー級王者・石森太二(37)が、2013年大会のプリンス・デヴィット(現フィン・ベイラー)以来となる王者での「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア(BOSJ)」制覇へ一直線だ。29日の公式戦(後楽園)ではBUSHI(37)を下して5勝目。高橋ヒロム(30)の“特別待遇”に対する反骨心を原動力に首位タイを快走する男が、制覇後に見据える光景とは――。

 左肩への一点集中攻撃でペースを握った石森は、コーナーからのヒザ爆弾・MXをキャッチして勝負をかけた。ブラディークロス(変型フェースバスター)は回避されるも、すぐさまBоne Lоck(変型クロスフェース)で捕獲しギブアップを奪った。

 15日の開幕戦(名古屋)でヒロムに敗れるも、逆襲の5連勝で首位タイをキープする石森には王者としての意地がある。「ジュニアの祭典」と位置づけられたシリーズにもかかわらず、公式戦8試合中6試合でメインイベント(9戦目の試合順は未定)をヒロムに奪われた。

 当然、面白いわけがない。「会社が一番、ジュニアのベルトを冒とくしてるよね。ヒロムを出しておけばいいだろうみたいな。悔い改めさせる? そういうリーグ戦でもあるよね」と優勝という結果で見返すつもりだ。

 BOSJ直後には年間最大興行の来年1月4、5日の東京ドーム大会が控えるが、「挑戦者決定リーグ戦」にするつもりはさらさらない。米国で開催されるトーナメント「スーパーJカップ」(12月13日配信)を見据え「アメリカでその後、Jカップやるらしいじゃない。その優勝者と統一戦とかやりたいよね、できることなら。面白いと思う」と青写真を明かした。

 同大会にはタッグパートナーのエル・ファンタズモ(34)を筆頭に海外強豪8選手がエントリー。日米覇者同士のジュニア頂上決戦をドーム大会にラインアップするという。

 優勝決定戦(12月11日)の舞台となる東京・日本武道館は思い入れのある会場だが、メインでの試合経験はない。

「めったにないチャンスだからね。武道館でシングル、もしかしたらメインかもしれない。魅力に感じるよね。それはリーグ戦に出てる選手はみんな思ってるんじゃないですか」と不敵に笑った。