新日本プロレス「ワールドタッグリーグ」16日の石川・小松大会で、IWGPタッグ王者のタイチ(40)、ザック・セイバーJr.(33)組が棚橋弘至(44)、トーア・ヘナーレ(27)組を下し、連勝発進を飾った。

 前夜の開幕戦(15日、愛知県体育館)で左ヒザに大ダメージを負った棚橋に対し、王者組は非情な攻めを展開した。序盤からいきなりユニオーネの竜巻(合体式ドラゴンスクリュー)を見舞うと、場外でもタイチが容赦なくイス攻撃を振り下ろして試合の主導権を握った。

 意地の反撃を見せた棚橋をあざ笑うかのように、王者組は天翔ザックドライバーを決めて試合から排除。ヘナーレに狙いを定めたタイチがデンジャラスバックドロップを決めていく。ランペイジ(変型バスター)からTOAボトムを狙うなど孤軍奮闘したヘナーレを最後はザックメフィストで振り切り、貫禄の3カウントを奪った。

 小松空港から車で約8分の距離にある会場でマイクを握ったタイチは「なんなんだよここは。何かが飛行して音ばっかり聞こえて頭おかしくなりそうなんだよ。うるせえんだこの町は。コンビニも夜には閉まるらしいじゃねえか。こんなクソみてえな田舎にIWGPタッグ王者が来てやったんだ。ありがたく思え」と悪態。「今日見ての通り、俺とザックがこのリーグ戦負けるわけがねえんだ。ベルトを持ったまま来年だ。(他のチームは)誰も優勝できない。このベルトが渡ることもない。分かったか」と優勝宣言を繰り出すと、好角家として慰労の気持ちを示したかったのか、15日に引退を表明した元大関の琴奨菊(36=佐渡ヶ嶽)の「琴バウアー」を繰り出して会場をあとにした。