新日本プロレスのG1クライマックス覇者・飯伏幸太(38)が来年1月4、5日の東京ドーム2連戦へ複雑な心境を明かした。ジェイ・ホワイト(28)に挑戦権利証を奪われながらも、4日大会でIWGPヘビー級&インターコンチネンタル2冠王者・内藤哲也(38)に挑戦する。勝てば5日大会でジェイとの王座戦という不可解な状況について何を思うのか――。

 史上初の挑戦権利証移動で、年間最大興行は急展開を迎えた。7日大阪大会で権利証を奪ったジェイが1・5大会での挑戦を宣言すれば、内藤は王座戦両日開催を希望し、初日の挑戦者に飯伏を指名。結局1・4大会で飯伏と内藤が2冠戦を行い、勝者にジェイが挑戦することになった。

 権利証を失いながらもドームで2冠に挑戦できる飯伏は「地獄に仏」にも見えるが、話は単純ではない。ジェイにはロープに足がかかった状態での押さえ込みが認められた“疑惑の裁定”で敗れており、到底納得できないからだ。「明らかな反則だから。実質ちゃんとした1対1でもないし。そこは公平にしてほしい」と訴える。

 さらに疑問視するのは、2冠王者とG1覇者の頂上決戦となるはずだった1・4大会メインが、事実上ジェイへの挑戦者決定戦のようになっている点だ。タイトルマッチ2連戦は内藤の希望通りだとしても、根本的問題としてジェイには5日大会へのスライド挑戦を要求できる資格がない。

 飯伏は「反則勝ちしたやつがチャンピオンより優位に立ってるのはどういうことなんだと。そこが一番おかしいというか、違和感を覚える」と指摘した。

 本来なら同年代ライバルとのドーム決戦を最高の舞台にしたかった。「内藤哲也は自分からしたら特別な存在でもあるし。指名してくれたのはうれしい。ただ、それは置いといてですよ。納得してないまま内藤哲也とやる状況も気分が悪いというか…」と吐露。どんな形であれ権利証を守り抜けなかった自身の立場は重々理解しつつも、1・4大会ではジェイとの争奪戦リマッチ、その勝者が1・5大会で内藤に挑戦するべきと提言した。

「先にジェイとやって、正々堂々と。で、勝って2冠をやりたかったのが本音。やらせてほしいですよ。それがちゃんとした筋なんじゃないかな。自分が発言権がないのは分かってますけど、でもジェイにも発言権はないはず。全てあいつが(話を)崩してるんじゃないか」

 発表済みのカードが覆る可能性は極めて低いが、ゴールデン☆スターがここまで自己主張するのは異例のこと。波乱必至のドーム決戦は、どんな結末が待っているのか。