【獣神激論】飯伏とSANADAのG1決勝は〝新しいストロングスタイル〟

2020年10月22日 18時46分

飯伏(左)にドロップキックを浴びせるSANADA

【世界のレジェンド ライガーが語る獣神激論(6)】獣神サンダー・ライガーが気になる話題やプロレス論を語る「獣神激論」。今回のテーマは飯伏幸太(38)の連覇で幕を閉じた「G1クライマックス」だ。解説席からシリーズを見守った獣神ならではの視点で激闘の1か月を振り返る。

 今までにないような激しい試合の連続で、優勝決定戦は飯伏君とSANADA君の組み合わせ。どちらも新日本生え抜きではない選手ですが、2人のしっかりしたレスリングを見て、これが令和の新日本プロレス、新しいストロングスタイルなのかなって思いました。

 もともと新日本のストロングスタイルは「怒り」っていうものがあると思うんですが、それを持ちつつも彼ら2人の世界の試合だったよね。プロレスっていうのは常に変化をしているわけじゃないですか。時代に求められた戦いをしてきて、今のプロレスがある。ターニングポイントになるような試合だったかな。

 シリーズを通して僕が一番印象に残ったのはYOSHI―HASHI選手。宇宙が誕生したビッグバンみたいな感じで、新しいYOSHI―HASHI選手が誕生したG1だったと思う。

 2012年にオカダ・カズチカ選手と一緒に帰国して、バーンと差をつけられた部分があった。焦りもあったろうし、悔しい気持ちもあっただろうし、それでも彼はくさらなかったよね。負けても負けても挑戦し続けた姿勢、それが闘魂だよ。確かに成績は2勝7敗と振るわなかったかもしれないけど、それ以上に戦い、怒りが伝わってきた。

 ファンの皆さんからも共感を得られたんじゃないかな。来年のG1、もしかしたら優勝候補の一人に挙がってるかもしれないよ。彼の成長はまだ止まってないと思うし、結局は練習なんだよね。腐らず諦めずコツコツやってきた。G1前にNEVER6人タッグのベルトを取ったのも大きかった。ベルトが彼を育てたっていうか、その価値以上のレスラーになってるよね。

 コロナの中でこんな大変なシリーズを完走して、選手はよくやったよ。ファンの皆さんも、大きい声を出せない中で手拍子でレスラーを応援してくれる気持ち。レスラーとファンがシンクロして、新しい時代のプロレスをつくり上げたと思う。今後に語り継がれるG1になったと思うな。

 次のシリーズ(23日、東京・後楽園ホールで開幕)まで1週間ないんだよね。優勝決定戦(18日)が終わったその日にさ、俺が道場に帰ったら棚橋弘至選手、もう練習してんだぜ。思わず「あんたバカ?」って、あの棚橋選手に暴言吐いちゃったよ。ヒザがボロボロで1か月戦ってきて、やっと終わったその夜に…過労死するぞ。あ、彼は疲れたことないのか、面倒くせえな(笑い)。

 昔から新日本って、ちょっとでも隙間があったら、そこに俺が入り込んでやろうっていう世界。だからこそ、決してウソをつかない練習を皆やってるんだよね。改めてそれを感じたシリーズだったし、ますます新日本から目が離せないよね。

(随時掲載)

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