新日本プロレス最高峰のリーグ戦「G1クライマックス」6日広島大会のBブロック公式戦で、棚橋弘至(43)がKENTA(39)を下して3勝目を挙げた。

 序盤から左ヒザに集中攻撃を受けた棚橋は、ドラゴンスクリュー、グラウンドドラゴンスクリューで反撃。だがレフェリーめがけて突き飛ばされると、無法状態となったリング上でKENTAのブリーフケース攻撃を浴びて窮地に陥った。PK、ブサイクのヒザ蹴りと立て続けに浴び窮地に立たされる。

 それでもgo2sleepをツイスト&シャウトで切り返し、スリングブレイドで形勢逆転に成功する。ハイフライアタックから最後はテキサスクローバーホールドを選択。執念の足関節技でKENTAからギブアップを奪ってみせた。

 久々にメインイベントで勝利した喜びは格別だった。新型コロナウイルス感染拡大による自粛後、初めてメイン終了後のリング上でマイクを握った棚橋は感極まり涙。万感のエアギターを繰り返すと「最後のリングのこの空間が、とてもうれしくて、長くやってしまいました。G1クライマックス、ちょっくら優勝してきます。じゃあ最後に! 広島の皆さ~ん! 愛してま~す!」と絶叫し大会を締めくくった。

 開幕2連敗から怒とうの3連勝で優勝戦線に生き残った棚橋は「まだいけるから。G1クライマックス、いろんな選手が輝いて、頭角現して。俺はなにやってんだって葛藤ももちろんあって」と逆転優勝と復権へ意欲満々。そして変わらずプロレスを応援してくれるファンに感謝の言葉を述べた。「来たくても来れない人いるんだろうなとか、こういうタイミングでプロレス離れてしまったらさみしいなとか考えて…。けど俺の気持ちは、誰一人置いていかないから。ケガで休んでる選手、試合数の関係で出られない選手、みんな仲間だから。柴田(勝頼)選手もそうだよ。全員でまた新しい新日本プロレスを作っていきたい。絶対俺、この手でやってみせるから」。かつて新日本を暗黒時代から救った太陽が、コロナ禍の影響を大きく受けたプロレス界に再び光をもたらす。