新日本プロレスの棚橋弘至(43)が「G1クライマックス」(19日、エディオンアリーナ大阪大会で開幕)での復活を宣言だ。自らの“介錯”を予告したIWGPヘビー級&インターコンチネンタル2冠王者・内藤哲也(38)とは、Bブロック初戦の20日大阪大会で対戦が決定。“制御不能男”がかみついてきた「当落線上」発言の真意はどこにあったのか。

 G1史上最多タイ記録の19年連続出場となる棚橋は、Bブロックから4度目の頂点を狙う。2008年大会から12年連続でAブロックだっただけに「AブロックのAはACE(エース)のAだと思っていたので。飯伏(幸太)に移ったんですかね…?」と違和感を口にしつつも「今回のG1のキャッチコピーは僕の好きな仮面ライダービルドの主題歌と同じ『Be The One』。これ、Bブロックから優勝者が出るという予言ですよ」と超ポジティブに解釈した。

 一方、今大会の出場発表を前に「当落線上」と自身を分析したことで、20日の初戦でいきなり激突する2冠王者・内藤から「来年はその当落線上にもいられなくすることが、俺の役目なのかもしれない」と挑発を受けた(本紙昨報)。だが棚橋は「(17年1月4日の)東京ドームで(内藤と対戦して敗れ)介錯されたんじゃなかったんですか、一礼されて。ということは、棚橋に“介錯”は効かないってことですよ」と不敵な笑みを浮かべる。

 さらに「当落線上」発言についても「最後尾からまくったほうが印象としてオイシイかなと。まんまと食いつかれましたね。自分を当落線上にまで下げたってことで存在感を消せるんです。(ギャンブルの)予想で◎とかいろいろ付きますが、僕は自分で無印にしたんです。全部伏線になってますから、フフフ」。

 周囲に警戒されぬよう気配を消し、かつ観客の予想を裏切るためにあえて自己評価を最低にまで持っていく綿密な作戦だという。ただ開幕前に明かしては台無しになる気がしないでもないが…。

 もっとも19年2月にIWGPヘビー級王座を失って以降、シングル戦線で結果を残せていない事実は変わらない。今年は激太りもクローズアップされたが「飯伏が常に僕(の暴飲暴食)を取り締まってますので。肉体改造も進んでますし、過去最高のコンディションで出られそうです」と、優勝争いに加わるべく万全の調整で臨む覚悟だ。

「内藤に勝てば2冠戦への道も開けるし、一気に無印が◎になる。カギになるでしょうね。暗い話題が多い今こそ、リング上を一気に明るく照らしたい。太陽が昇る周期に入ってますから」。沈んだままでは終われない。史上初の“秋のG1”をエース復活の舞台にする。