新日本プロレス29日の明治神宮野球場大会で「グランドマスターを目指す男」マスター・ワト(23)が金丸義信(43)に屈辱の敗戦を喫した。

 グレート・ムタとグレート・ニタの電流爆破戦以来、実に21年ぶりの神宮大会の第1試合に登場したのは、当時まだ1歳半にも満たなかっワトとあって、何とも時の流れを感じさせる幕開けとなった。場外へのトルニージョアタックをはじめ若さあふれる攻撃で試合の主導権を握ると、金丸のウイスキー攻撃も蹴りで完封。さらには強烈な打撃からジャンボスープレックスを発射した。

 勝機と見たワトはRPP(変型セントーン)へ移行しようとしたが、そこで生まれた一瞬のスキを突かれると回転エビ固めで丸め込まれ3カウント。金丸の技巧の前によもやの逆転負けを喫してしまった。

 ワトのマネジャー・天山広吉(49)は「ふざけんなよオイ! レフェリー! ワン・ツーで肩あげてんやないかって! これからワトが駆け上がっていくのに、ふざけんなレフェリーこの野郎!」と判定に激怒。だがプロレスにおいて「リクエスト」は認められておらず、仮に認められたとしても普通に3カウントは入っていた。

 ベテランに足をすくわれ「グランドマスターへの道」から一歩遠ざかってしまったワトは「何やねん今日のは…。俺の旅はな、始まったとこや。今日のは旅の途中のアクシデントや。旅はな、これからまだまだ続くんだ!」とショックを隠し切れなかった。