新日本プロレス29日の東京・明治神宮野球場大会で棚橋弘至(43)、飯伏幸太(38)組との初防衛戦に臨むIWGPタッグ王者のタイチ(40)が、タッグ戦線の私物化を予告だ。前王者組とのリマッチを不服とし、棚橋の復活宣言にも憤慨。再戦決定によりベルトの価値が落ちたと訴え、王座防衛後の強権発動を見据えた。

 棚橋&飯伏の「ゴールデン☆エース」からのリマッチ要求を拒んできたタイチは、7日のNEVER無差別級6人タッグ王座決定トーナメント1回戦(後楽園)で棚橋に丸め込まれて敗北。結果的にザック・セイバーJr.(33)との王者組で迎え撃つことが決まったが「あれはロープブレーク。俺らは挑戦まで5か月もかかったのに、あいつらはあんなレフェリーのミスジャッジで挑戦か。俺らが取って価値が上がったのに、やつらのせいで過去一(価値が)低いベルトになっちまったな」と不満タラタラだ。

 さらに挑戦決定を機に復調気配の棚橋が「少しずつ番付を上げてきた。そういう自負はあるから」と発言したことも好角家の逆鱗に触れた。「お前に、俺ら関取の気持ちの何が分かる」と、なぜか関取サイドに立って反発。大関から序二段まで転落しながらも、7月場所で5年ぶりの復活優勝を果たした幕内照ノ富士(28=伊勢ヶ浜)に感銘を受けており「お前は合宿所に入るところからやり直せるのか? いまだにエースぶってテレビでチャラチャラしてるやつが、照ノ富士と同じだと思ってんじゃねえぞ。軽々しく番付を語るな」とバッサリ。「過去の栄光を大目に見て、お前を横綱だとしよう。番付が落ちることのない横綱に待っているのは引退だけだ」と非情通告した。

 一時はタッグベルトを「捨てる。神宮の新しいホームベース代わりに置いていく」ことも考えたそうだが、価値の低下を訴える以上は再び向上させるプランも提示する。「G1(9月19日、大阪で開幕)もあるし、急いで防衛戦をやらなくてもいいだろ。年末にリーグ戦があるのかは知らねえが、そうなった場合はやつらのせいでメチャクチャになったタッグを俺が現場監督として立て直しますよ、うん。俺が全部、チームをつくってやりますよ」と勝手に役職を要求。全チームシャッフルの青写真を明かした。

 16日のツインメッセ静岡北館大会では8人タッグ戦でゴールデン☆エースと激突。王座戦は決定済みにもかかわらず「(挑戦を)お願いしてみろ」と言い放ち、最後はベルトを置いて立ち去った。相変わらずの傍若無人ぶりを発揮し、神宮決戦のイニシアチブを握りそうだ。