12日の新日本プロレス大阪城ホール大会でIWGPタッグ王座初防衛戦に臨む棚橋弘至(43)が、飯伏幸太(38)との王者コンビ「ゴールデン☆エース」の進化を予告した。新型コロナウイルス感染拡大による自粛期間中にも、チーム力の向上を確信。再開後初の有観客大会となる大阪城2連戦(11、12日)を「再興記念日」と位置づけ、タイチ(40)、ザック・セイバーJr.
(32)組の迎撃を誓った

 再開シリーズとなった「NEW JAPAN CUP」で棚橋は1回戦、飯伏は2回戦でタイチに敗戦。まさかの“2連敗”となった王者組は大阪城決戦でのタッグ王座防衛戦で汚名返上を狙う。棚橋は「こういう時に明るい話題を振りまいたり、力強い戦いをしてエネルギーを発信したいんですけど、残念ながら1回戦負け…。時代が棚橋を求めていないというか、今回は僕のターン(順番)じゃなかったのかな」と肩を落としたが、気持ちはすでにタッグ王座戦に切り替わっている。

 新型コロナウイルス禍により、2月のベルト戴冠から初防衛戦まで期間は空いたものの、チームとしての上積みを強調。「菅野(洋介)トレーナーに飯伏情報の報告があるらしくて、60メートルダッシュの動画が送られてきた。すごいんすよ、走りがスプリンター並みで。飯伏がさらにスピードに磨きをかけているのであれば、僕も(1月4、5日の東京)ドーム(大会)から体重が12キロ増えてちゃんとパワーアップしてますよ。チームコンセプトは『スピード&パワー』です」

 自身の激太りの理由づけを「役割分担の明確化」に持ってくるあたりはさすが逸材だが、実は腕相撲では飯伏にかなわないだけにパワー担当として一抹の不安は残る…。ともあれ「飯伏が108つの連係を考えていると言っていたんで。『煩悩の数だけ強くなれるよ』と。休み期間中にチーム力が上がって、プラス材料しかないですね」とV1に自信をのぞかせた。

 大阪城2連戦がコロナ禍の影響で続いた大会中止から再開後、初めて有料入場者を動員する形式で行われることも、必勝への思いを強めている。棚橋は「むちゃくちゃ楽しみです。これは無観客を経験した選手全員思ってると思うけど、ファンの皆さんの存在ってありがたい、応援してもらえることがどれだけ尊いか」と力説する。

 新日プロはソーシャルディスタンス確保のため、収容1万人以上の大阪城ホールでの動員を約3500人に。2月までの超満員の光景はまだ見られないが「こういう状況下でもプロレスが見たいんだって来てくれる3500人じゃないですか。見たくて見たくてって方たちが集まってくれる。選手もいい戦いを見せたい、ファンの人も盛り上げたいっていう、純度の高いプロレス空間になると思う。大阪城ホールが『再興記念日』になりますよ」と目を輝かせた。

 エースとしてファンから期待をかけられてきたが、それ以上の活躍で応えてきた。「ゴールデン☆エース」が歴史的タイトルマッチを制し、タッグベルトを守り抜く。