まだまだ波乱は続くのか。新日本プロレス「NEW JAPAN CUP(NJC)」2回戦(1日)で、タイチ(40)が飯伏幸太(38)を破りベスト8進出を決めた。これで1回戦の棚橋弘至(43)に続きIWGPタッグ王者コンビを撃破。勢いづく男は悲願の“3冠取り”を見据え、決勝戦(11日、大阪城ホール)の相手に意外な男を指名した。

 タイチはザック・セイバーJr.(32)、飯伏は棚橋と、それぞれのパートナーをセコンドに従えての激突は戦前の予想通り乱戦となった。試合が動いたのは15分過ぎだ。タイチはカミゴェを狙った飯伏を突き飛ばし、レフェリーと交錯させて無法状態をつくり出す。

 ザックの乱入は棚橋に排除されたが、この間に回復したタイチはレフェリーの目を盗みアイアンフィンガー・フロム・ヘルを発射。最後はブラックメフィスト(変型水車落とし)で3カウントを奪った。

 NJC優勝者は12日の大阪城大会でIWGPヘビー級&インターコンチネンタル2冠王者・内藤哲也(38)に挑戦する。しかも棚橋、飯伏を連破したことで、ザックと組んでのIWGPタッグ王座取りも見えてきた。「2冠とタッグで、俺が言い続けてきた3冠の道が見えてきたな。だから言ってるじゃねえか。『人生はチャレンジだ』ってな」と、全日本プロレスOBらしく“3冠”へのこだわりを披露。大阪城で2冠を手にし、次のビ
ッグマッチとなる25日の愛知県体育館大会でタッグ王座に挑戦する青写真を明かした。

 もちろんそのためには、NJC制覇が必要不可欠。実力者がひしめくブロックで激闘が続くことから、大阪城2連戦で決勝戦と2冠戦を行う過密日程を冷静に分析する。その結果「切に願うのは、オカダ(カズチカ)以外のやつの勝ち上がりだ。オカダと内藤を2タテ? そんな甘っちょろいこと言ってられるか。オカダの決勝進出だけは断固阻止しなければならない。やつの試合に乱入するもよし、私生活を襲うもよし。そうだな、石森(太二)あたりがいいな。少しややこしいけど決勝は『石森対タイチ』だよ」と予告した。

 まるで石森相手なら盤石とでも言いたげだが、両者の戦績は1勝1敗と五分である事実は見逃せない。ともあれ立て続けに優勝候補を撃破したことで、今大会のダークホースになったことは紛れもない事実。このまま一気に頂点へ駆け上がれるか注目だ。