新型コロナウイルス感染拡大の影響で興行を中止していた新日本プロレスが、15日の無観客試合から活動を再開する。16日からは最強戦士決定トーナメント「NEW JAPAN CUP(NJC)」を開催し、7月11、12日の大阪城ホール2連戦は、観客を入れた興行形式で行う。実に110日ぶりとなる業界盟主の再開に、棚橋弘至(43)も感激の声を上げた。

 新日本は2月26日の沖縄大会を最後に計53大会を中止。緊急事態宣言下では、他団体が活用していた無観客試合さえ実施しない方針を貫いた。全国で緊急事態宣言解除後には選手、スタッフへの抗体検査実施を決定。安全対策を進めた上で、9日にオンライン会見を開いた。

 会見には菅林直樹会長(55)と棚橋が出席。15~17日までの3日間にわたり行う無観客試合の放送・配信を皮切りに、団体としての活動を再開すると発表した。16日放送回からは、中止前に開催が発表されていた「NJC」がスタートする。

 同トーナメントに来日、出場が不可能となった外国人選手に代わり、ジュニアヘビー級やヤングライオンの参戦が決定。ジェイ・ホワイト(27)と対戦予定だったオカダ・カズチカ(32)の相手は外道(51)に、ウィル・オスプレイ(27)と対戦予定だった鷹木信悟(37)の相手はSHO(30)にそれぞれ変更されるなど、参加32選手による新たな組み合わせが決まった。またIWGPジュニアヘビー級王者・高橋ヒロム(30=顔写真)の参戦も決まり、1回戦では本間朋晃(43)と激突する。

 さらに7月11、12日には、当初6月14日に開催予定だった大阪城ホール大会を2連戦で行う。11日大会ではNJC決勝戦が行われ、12日大会では優勝者がIWGPヘビー級&インターコンチネンタル2冠王者の内藤哲也(37)に挑戦する。

 新日本としては観客を入れた形式で行う最初の大会となり、新型コロナ感染拡大防止対策として、収容人数の約3分の1にとどめた観客席を設ける予定だ。なお7月に予定していた北海道シリーズは、現在の状況を熟慮した上で中止となった。

 一連の発表を受け、棚橋は「大会の中止が発表されるたびに悲しく、つらい思いを僕たちもしてきました。再開がもっと先になるのではないか…と思っていたので、6月15日にプロレスを再開できるのはうれしく思います。この期間にたまったエネルギーを全部出して、全力で戦っていきます」と約束した。

 またコロナ禍によりスポーツ、エンターテインメント界には大きな変化が求められる可能性もある中で「これから皆さんに楽しんでいただける、新日本プロレスの新しい形をつくっていきます」と宣言。新日本、そして棚橋が何を見せてくれるのか注目だ。