「ゴールデン☆エース」が潮流を変える。新日本プロレス東京・後楽園ホール大会(21日)のIWGPタッグ選手権は棚橋弘至(43)、飯伏幸太(37)組がタマ・トンガ(37)&タンガ・ロア(36)の王者組を破り第86代王者に輝いた。ともに人気・実力トップの2人は、ベルト奪取を機にタッグ戦線の活性化を約束。その目線の先には壮大な目標がある。

 1月の東京ドーム大会で苦杯をなめた2人が逆襲開始だ。バレットクラブの極悪連係に苦しみながらも、飯伏が王者組のベルト攻撃を誤爆させ、孤立したタマにカミゴェを発射。最後は棚橋がハイフライフローで圧殺し乱戦を制した。

 棚橋にとっては中邑真輔(39=現WWE)と保持していた2005年以来約14年半ぶり、飯伏にとってはキャリア初のIWGPタッグを手にした。スター選手2人の戴冠は、今後に向けても期待が高まる。近年の新日マットではシングル王座が増加。年末の「ワールドタッグリーグ」にはシングル主力選手の不出場が相次ぎ、タッグ戦線はシングル戦線と区別される傾向が強まっていた。

 だが棚橋は「そこをぶっ壊せる可能性はあるかな」とにやり。「イメージするのは四天王時代の全日本プロレス。3冠戦線もすごかったし、世界最強タッグもすごかった。タッグ・シングル関係なく活躍していたので。新日本でありながら、そこにイメージを持っていってますね」と両王座戦線の“壁”を破壊する青写真を明かす。

 少年時代に武藤敬司&馳浩のタッグに魅了されたという飯伏も「あの時代が一番タッグとして盛り上がってたんじゃないですかね。それを超えるものを? つくれる可能性があるというか、つくる。棚橋さんとなら、ドームクラスのメインをできるタッグチームになれるんじゃないかな」と目を輝かせる。

 現在、1・4東京ドーム大会のメインイベントはIWGPヘビー級選手権開催で完全に定着。タッグマッチのメインは07年大会(武藤、蝶野正洋VS天山広吉、小島聡)までさかのぼる。飯伏は「絶対に(メインが)シングルのヘビーの選手権じゃないと…みたいな空気が10年くらいあるから、そこを変えたい」と豪語した。

 試合後のリング上ではタイチ(39)とザック・セイバー.(32)の襲撃を受け、新たな遺恨が勃発。まばゆい輝きを放つ「ゴールデン☆エース」のベルト奪取で、新日タッグ戦線がにわかに活気づきそうな気配だ。