新日本プロレスのハロルド・ジョージ・メイ社長(56)が、東京五輪イヤーとなる2020年の大胆戦略を明かした。史上初の東京ドーム2連戦は、2日間で7万人以上の動員を記録。さらに団体の看板シリーズ「G1クライマックス」を秋にスライドして開催することが発表された。真夏の祭典として定着していた風物詩の時期を変更した狙いとは――。

 史上初の東京ドーム2連戦は、初日が4万8人満員、2日目が3万63人の動員を記録。超満員にはならなかったものの、初日に昨年大会の3万8162人を上回り、2日間で7万人以上の動員を記録したのは大成功と言っていい。メイ社長は「7万人の大台を超えることができ、まさに歴史的瞬間が生まれました。ドーム2連戦は当初、社内でもビックリされたんですよ。でもこれでやらなかったら、いつやれるんだと。このために昨年の1月中旬から大会ミーティングを始めていた。社員にとっても自信につながったんじゃないかな」と笑顔を見せた。

 今年は土日開催もあって2連戦が可能だったが、来年は現段階では1・4のみの開催予定だという。この勢いを持続できれば、団体が長年目標に掲げてきた超満員も現実味を増す。「これで基準ができたので、それをどれだけ超えられるのかが勝負ですね。達成のために自信になる大会だったのは間違いない」

 さらに大きな驚きをもたらしたのが、G1の日程発表だ。夏に東京五輪が開催されることを考慮して、史上初の秋開催が決定。開幕時期は未定ながら、10月16、17、18日の東京・両国国技館3連戦で最終戦を迎える。これには東京五輪後の“五輪ロス”をプロレスで埋めようという狙いもあるという。「五輪では世界の目が日本のスポーツ界に向けられますので。それが終わって、次は我々が日本のスポーツコンテンツの一つとして見せたいということ」と明かした。

 とはいえ夏場に稼働しないというわけではない。東京以外の地域でシリーズ、ビッグマッチを開催することが検討されている。また海外進出にも引き続き力を入れていく方針で、海外でのビッグマッチ開催も計画されているという。「ドームでは世界中に新日本プロレスの魅力を伝えられました。その証しに昨日(4日)は世界トレンドワード1位を(新日本関連で)6時間独占できた。それはどこもやったことがないんじゃないか」。プロレス界の盟主は今年、さらなる飛躍を遂げる。