新日本プロレスの年間最大興行「レッスルキングダム14」(5日、東京ドーム)の第5試合で行われたNEVER無差別級選手権は、挑戦者・後藤洋央紀(40)が王者KENTA(38)を破り、第28代王者に輝いた。

 荒武者がいきなり仕掛けた。Tシャツ姿のKENTAに襲い掛かり、先制。昨年の「ワールドタッグリーグ」期間中から襲撃合戦を展開した王者への怒りが頂点に達していた。

 だがKENTAは冷静だった。前蹴りで逆転するや、場外で痛めつける。さらにリングインする挑戦者を小バカにするように何度も場外へ投げ捨て、花道上でのDDTを決めて冷酷な笑み。場内の大ブーイングにも、どこ吹く風だ。

 その後はお互いに譲らない攻防が続き、意地と意地のぶつかり合いが続いた。後藤が牛殺しを決めれば、王者もGAME OVERを決めて一歩も引かない。終盤、KENTAのスリーパーに捕まった後藤は、PKからブサイクへのヒザ蹴りで大ピンチを迎えるが、ゴー2スリープの体勢から抜け出し、起死回生の頭突きで逆転。王者の張り手に仁王立ちで耐えるや、最後はGTRで逆転の3カウントを奪った。

 後藤の話「KENTAには悪いけど、今ここにNEVERのベルトがある。これが現実です。今回、タイトルマッチが組まれたのも俺が言ったわけではない。でもこうしてベルトがここにあるのも、俺とNEVERの縁だと思ってます。使命ですね。このベルトをもう一度よみがえらせる。王者として、今後も誰の挑戦も受ける。ただひとつ注文を出させてもらえるなら、このベルトが欲しいヤツに限らせてもらいます。(柴田勝頼を裏切ったKENTAとの戦いだったが)柴田との因縁もあるKENTAですから、そのへんもつながってたのかな。柴田を裏切る行為、それが最大の罪だと思ってますから。柴田の思いも胸に戦ったし、いい結果が出てよかった。アイツは命をかけて新日本に来てると言ってますけど、全員命かけてますから。そんなこと自慢げに言われても響かないかな。あのリングにすべて答えがあるので。

 KENTAの話「負けたことは悔しいし腹立つし、これまでベルトに興味がないと言ってきたけど、なくしてから気づくね…恋人かよ! ベルト失った。ここからなんじゃないかな、真価が問われるのは。NEVER失いました、それだけで終わる人間と思われたら困る。どんどん仕掛けていくから。もっとデカいことやってやる」