【新日1・4東京ドーム】オカダ 内藤との2冠戦を前に「ライガー食う!」最高の試合で恩返し

2020年01月05日 16時30分

オカダ渾身のレインメーカーが飯伏(左)に火を噴いた

 プロレス界のエースが運命の大決戦だ。新日本プロレス史上初となる東京ドーム2連戦の初日(4日)で、IWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ(32)は飯伏幸太(37)との頂上決戦を制して5度目の防衛に成功。5日大会ではIWGPインターコンチネンタル(IC)王者の内藤哲也(37)とのダブルタイトルマッチに臨む。両日メインイベンターを務めるオカダを奮起させるのが、2連戦で引退する獣神サンダー・ライガーの存在。レインメーカー誕生に深く関わった恩人との秘話とは―― 。

 まさに死闘だった。飯伏が解禁したフェニックススプラッシュを間一髪で回避したオカダは、レインメーカーを発射し攻勢に出る。驚異の粘りを見せる挑戦者のハイキック、飛びヒザ蹴りを浴びるも、カミゴェをかわして開脚式ドライバーを発射。最後は渾身のレインメーカーで、39分16秒の死闘に終止符を打った。だが、王者に休息は許されない。この勝利で5日大会ではIC王者・内藤とのダブル王座戦が正式決定。「みんなが望んでいた戦いができるんじゃないかと。2冠戦で一番期待されてたカードだと思うので、期待に応える戦いをお見せしたい」と豪語した。

 昨秋の段階から早々に東京ドームの超満員を目標に公言し、2日連続でメインに立つことを義務づけた。業界を背負う者としての責任感があったことに加え、レスラー人生の大恩人であり、この2連戦で現役を引退するライガーへの特別な感情があったからだ。

 オカダは2007年夏、在籍していた闘龍門から新日プロに入団した。導いてくれたのがライガーだったのは周知の事実だが、水面下ではこんな裏話もあった。当時の師匠ウルティモ・ドラゴンは、全日本プロレス社長だった武藤敬司、健介オフィスの佐々木健介らにも愛弟子の身の振り方を相談していた。つまり、他の団体へ入団する可能性も十分にある状況だったのだ。

 そんな折、メキシコに来たライガーと話をする機会に恵まれた。この際の会話が決定打となり、オカダは新日プロ入団を決意。その上で、オカダが今でも感謝していることは新日プロ入団に際して突きつけられた条件だ。

「また一からだよ。それならいいよ」

 すでに3年のキャリアがあり、文字通りのリスタートを命じられた格好だが、これを快諾した。

 オカダは「逆に変な感じで(他団体の)あんちゃんみたいな感じで入ってたら、それはそれで怖かったですよ。あれは厳しさでもあり、ある意味で優しさだったのかなと思いますね」と本紙の取材に振り返った。

 技術も心構えも、盗むもの。入門後に厳しく叱られたり、指導を押しつけられた記憶はない。オカダが恩義を忘れたことはないが、ライガー自身が入門の経緯を吹聴したことは一度たりともない。「だからライガーさんに胸を張って『今のあいつは俺のおかげだから』って、冗談でも何でもいいから、そう言ってもらえるくらい活躍しようかなと。やっぱり一人でも多くの人にライガーさんの引退試合を見てもらいたいし、申し訳ないですけど、ライガーさんの引退試合を食ってしまう試合を見せないといけないと思っていますので」

 そのためには、どうしてもIWGPのベルトを守る必要があった。全てが初物尽くしの2020年東京ドーム決戦。「あの大会はいい大会だった、ライガーさんもいい大会で終われたって思ってもらえるようなものを見せたい」と誓うレインメーカーが、2日連続で主役を務めてみせる。