新日本プロレス来年1月5日東京ドーム大会でクリス・ジェリコ(49)と対戦する棚橋弘至(43)が、“禁断の扉”に手をかけた。世界的スーパースターとの一戦を前に、ジェリコが保持するAEW世界王座に着目。5月に旗揚げした米国団体と新日プロの関係性に、大きな変化が訪れる可能性が出てきた。

 全カードが出揃ったドーム2連戦(来年1月4、5日)で棚橋の名前が入っているのは1・5大会のジェリコ戦のみ。2004年大会から16年連続で出場し、実に10度もメインイベンターを務めた「1・4ドーム」には不出場となる。それでも「自分の中では消化してますよ。会社の配慮というか『ジェリコ戦に集中しろ』というメッセージと受け取ってます」と大一番へ気合を入れた。

 6月のオカダ・カズチカとのIWGPヘビー級戦(大阪)以来の参戦となるジェリコが現在、AEWベルトを保持していることも闘争心に火をつける。「向こうのチャンピオンじゃないですか。俺が勝って向こうが『もう1回』と言ってきたら『ならベルトかけろ』とも言えるわけです。そうしたら禁断の扉が開きますよ」と不敵に笑う。

 AEWの所属選手では、ジェリコやジョン・モクスリー(34)が新日プロに参戦。だが逆に新日所属選手のAEW参戦はなく、ケニー・オメガ(36)らジ・エリート勢の古巣参戦も実現していない。「なんか不穏な香りを感じますね。ジェリコという壁を乗り越えたら、向こうに何が見えるのか。こっちにはヤングライオン時代の幻の技『ウォール・オブ・ヒロシ』がありますから。どんな技なのかは、乞うご期待です」。Y2Jが使うウォール・オブ・ジェリコは逆エビ固めのこと。見るまでもなく想像がつく幻の技はともかく、棚橋が勝利して王座戦にまで発展すれば、両団体の関係は新展開を迎えてもおかしくない。

 風雲急を告げる決戦を前に「ジェリコはいつまでペインメーカーを名乗ってるんだと。あれはレインメーカー(オカダ)が相手の試合だったから使ってたわけでしょ。だからね、僕が新しい構図を考えてきましたよ。ズバリ『エース対ジョーカー』です」ときっぱり。今年最後のドヤ顔を決めたが、トランプのカードとしてはエースの方が不利なことに気づいているのだろうか…。