新日本プロレスのSANADA(31)が「ワールドタッグリーグ」の開催時期変更を切望した。EVILとのコンビで史上初の3連覇へ視界良好の一方、同リーグ戦が抱える問題として年間最大興行の来年1月4、5日東京ドーム大会のカードが決まっているレスラーは出場できない点を指摘。年明け開催への変更プランを提案する真意とは――。

 優勝候補筆頭と目されるSANADA組は、ここまで単独首位を快走。6日の熊本大会で天山広吉(48)、小島聡(49)組を下し、戦績を13勝1敗の勝ち点26とした。最終戦8日の広島大会では、12勝2敗で同24のジュース・ロビンソン(30)、デビッド・フィンレー(26)組との公式戦に引き分け以上で3連覇が決まる。

 出場16チーム総当たり戦で開催された今年のタッグリーグ戦はSANADA組と2敗で追うジュース組、タマ・トンガ(37)、タンガ・ロア(36)組の3チーム以外は早々に優勝争いから脱落した。近年の新日プロではタッグ戦線において実力差が如実に表れている。

 その要因の一つとしてSANADAは、リーグ戦に翌年ドーム大会でのカード決定者がエントリーしないことを挙げる。今年で言えば、来年1月4日大会で激突するIWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ(32)とG1覇者の飯伏幸太(37)、IWGPインターコンチネンタル(IC)王者ジェイ・ホワイト(27)と内藤哲也(37)の「4強」が不在。「やっぱり全員出たほうが魅力は増しますよね。いいものといいものが交差して、よりいいものが生まれると思うので」と漏らす。

 日程的にタッグリーグ戦は年末恒例のイメージが強い。だがタッグ戦線活性化を考えるのであれば、開催時期の変更も考慮すべきだという。「ドームのカードが決まってる人が出られない…。だったら、ドーム終わった後でやればいいんじゃないかとも思いますけどね」と、全選手がタッグ戦線に集中できる年始開催案を掲げた。

 さらには「別に『なんであの4人は出ないんだよ』って不満を言うつもりは全くないんです。ただ来年は、自分があそこにいないといけないと思っている。そうなった時にEVILとタッグリーグ戦に出られなくなるのは嫌なんで」。今年は2度の挑戦でIWGPに肉薄。来年ドーム2連戦の目玉となるIWGP・ICの2冠よりもIWGPシングル・タッグの2冠を目指しているだけに、早急に改革の必要性を訴えた格好だ。

 まずは目の前の3連覇に集中する意向。タッグ最強の称号を揺るがぬものとして、来年のさらなる飛躍につなげる。