新日本プロレス来年1月4日の東京ドーム大会で、IWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ(31)に挑戦するG1クライマックス覇者・飯伏幸太(37)が30日、異例の“出稽古”を熱望した。年間最大興行のメインイベント出場を前に、さらなる進化が必要と痛感。そこで熱視線を送るのが、あの最強兄弟だ。

 今シリーズの飯伏は、オカダとの激しい前哨戦が続く。この日の静岡大会でも8人タッグ戦で激突し、華麗なドロップキックを決めて一歩も譲らなかった。「まだ1000分の1も出していないのが分かってる。上っ面のオカダ・カズチカですから。だまされないですよ」。ハイレベルな手の内の探り合いを楽しむかのように、不敵な笑みを浮かべた。

 そんなゴールデンスターが今、一番刺激を受ける人物が総合格闘技イベント「RIZIN」で活躍する未来(27)と海(26)の朝倉兄弟だ。飛ぶ鳥を落とす勢いで一躍トップに上り詰めた2人のことは、2013年の「アウトサイダー」参戦当初から注目していた。直接の面識はないものの「未来選手の吉永啓之輔戦(15年7月)から感じてたことなんですけど、とにかく2人とも対戦相手の研究能力が別格だなと。肉体的な部分より、その部分をトレーニングしてみたいんですよね」と、2人との“合体”を希望する。

 IWGP戦、加えてドームのメインという点においても、経験値では圧倒的にオカダが上回るだけに「普通にやったら勝てない。そこを埋めるのが、自分なりに研究しないといけない部分」と、その狙いを説明した。

 10日には、朝倉兄弟がインストラクターを務める都内の「トライフォース赤坂」をアポなし訪問。2人は不在だったが、入り口付近で「なんで飯伏選手がいるんですか?」と、もっともな疑問を抱いた関係者に声をかけられ、丁寧にジム内を案内してもらったという。「実際に見学させてもらって、練習してみたいなって思いましたよね」

 DDTでデビューし、階級と団体の垣根を越えた活躍で現在の地位を築いたため、朝倉兄弟にシンパシーのようなものを覚える。「似たにおいを感じますよ。アウトサイダーからRIZINまで行ったというのもそうだし。自分が忘れかけていたものを持っているんじゃないかと。そこをもう一回取り戻したい。どういう考えで(試合に)臨んでいるのかとか、初心に戻ることができそうですよね」と目を輝かせた。

 全ては打倒・レインメーカーのため。年末年始に大一番を控える3人の“緊急合同研究会”は実現するのか――。