新日本プロレスの荒武者・後藤洋央紀(40)が26日、「元祖2冠提唱者」として譲れない思いを明かした。IWGPインターコンチネンタル(IC)王者ジェイ・ホワイト(26)からの王座奪取の先に見据えるのは、初のIWGPヘビー級王座(王者はオカダ・カズチカ)取りだ。空前の2冠ブーム到来を、悲願達成の好機ととらえている。

 22日の神戸大会で後藤は、IC王座を奪取したジェイへの挑戦を表明した。米国遠征出発前の成田空港で取材に応じ「ジェイにはG1で勝っているし、俺に(資格が)あるだろうと判断しました。今がチャンスだと。2冠の話でトップ戦線が盛り上がっている中で、割って入っていかないといけないという気持ちは強かった」と腕をぶした。

 同大会では「他の誰でもない、この俺が2冠を取ってやる」と豪語。ただし、前IC王者の内藤哲也(37)が今年1月から掲げた「IC&IWGP同時戴冠」の野望は、ジェイがそっくりそのまま強奪した。またG1覇者で、東京ドーム・IWGP王座挑戦権利証を保持する飯伏幸太(37)も同様の青写真を描く。

 だが何を隠そう、後藤こそが同時戴冠を狙った最初の存在だ。2012年にはICベルトを巻いたまま「NEW JAPAN CUP」を制し、当時のIWGP王者オカダに挑戦。結果は惜敗したものの、史上唯一、2冠に王手をかけた男として名を残す。また15年のIC王者時代にはIWGPとの「統一戦」をぶち上げたこともある。

「2冠という話が出てくることは読めていた。ようやく時代が気付いたかと。過去の反省も踏まえつつ、まずはもう一度、IC王者に返り咲きたい。そのまま最前線までいきたい気持ちが強いです」。今こそ長年の願いをかなえる時と力説し、G1から取り入れた新技・牛殺し式GTRを「GTW」と命名。「GTWとGTRで2冠を成し遂げたい」と語った。

 言いたいことを言い終えるや「さて…出発の時間だ。わざわざ空港まで来てくれてありがとうございました」と、足早にカフェを退店した。テーブルの上に残された伝票をレジに持っていくと「お代は先ほどのお客さまからいただいております」。粋な男っぷりを見せて機上の人となった。