新日本プロレスのIWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ(31)が12日、V4戦(10月14日、東京・両国国技館)で迎え撃つSANADA(31)に“宿題”を課した。年内最後と目される同王座戦まで、さらなる奮起を促したのだ。これには今年だけで4度目となるライバル対決に対する、レインメーカーなりの狙いがある。
両国決戦でオカダは、G1クライマックス公式戦で敗れたSANADAとの雪辱戦に臨む。1月4日の東京ドーム大会ではジェイ・ホワイトとのノンタイトル戦で敗れる屈辱を味わっており「(メインイベントに)戻りたいっていうのが一番ですよ」と、来年のドーム決戦(1月4、5日)の主役は譲れない。
同い年で好勝負を展開してきたSANADAはライバルと認めている。挑戦者もG1での勝利で自信を深めているが、通算戦績では6勝1敗とオカダが大きく勝ち越しているのは事実。そのため「僕に勝ったことで、さらに人気は出たと思いますよ。SANADAコールもすごいですし。でも、どっちが勝つかとなった時に(ファンが)SANADAと言えるのかどうか。まだまだ僕は追い込まれているとは思ってないので」と王者の自信は揺るぎない。
あえて物足りなさを強調するのは理由がある。今回の一戦に特別な意味を見いだしているからだ。凱旋帰国した2012年以降のオカダが同一選手と年間で4度も対戦するのは、13年の棚橋弘至以来。「オカダ対棚橋くらいの黄金カードになりつつあるんじゃないかなと思いますけどね。100回やったら、100回満足させる自信はありますし」とライバル対決の未来に可能性を感じ取っている。
これまで年間最大興行のドームで3度もメインを飾った「オカダ対棚橋」は近年の新日プロを代表するカード。だからこそ、SANADAに求めるハードルも必然的に高くなる。「棚橋さんとやってた時とはまだ違うのかなと。僕がやってきたことがあるからこそ『オカダが勝つでしょ』となるんでしょうけど。そこを覆せるか。しゃべってどうにかってタイプじゃないから、リングで見せてもらいたいです」
黄金カードとしてはあってはならない「オカダ圧倒的有利」の下馬評を変えるためにも、挑戦者の覚醒に期待をかけた。この日の大阪大会では6人タッグ戦で前哨対決し、リバースネックブリーカーを決めるなど軽快な動きで好調をアピール。両国決戦の機運を高められるかは、SANADAにかかっている。