新日本プロレス31日(日本時間9月1日)の英国・ロンドン大会で、IWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ(31)が鈴木みのる(51)とのV3戦に臨む。

 1987年に設立されたIWGP王座の歴史の中で、欧州での王座戦は2005年6月のイタリア大会(王者・天山広吉VS挑戦者スコット・ノートン)以来14年ぶり。英国では初の開催となる。

 近年は海外での人気が高まった上に新日本プロレスの世界戦略が進んでおり、今年4月にはプロレスの殿堂マジソンスクエア・ガーデン(米国・ニューヨーク)でIWGP戦が行われた。同大会でベルトを奪取したオカダは「いろいろな国で行われることはいいことだと思います。IWGPこそ新日本だと思うので。そこですごいものを見せられればまたザック(セイバーJr.)や(ウィル)オスプレイのようなすごいレスラーたちが生まれてくるんじゃないかと思いますし」と、英国でもレベルの違いを証明するつもりだ。一方で挑戦者のみのるも英国遠征に積極的に参戦しており、昨年はRPWのブリティッシュヘビー級王座も奪取。現地では圧倒的に高い人気を誇り「ロンドンはもはや俺の第2のホームリング。俺やザックの偉大さを思い知るがいいよ」と自信をのぞかせる。

 もう一つIWGP史において初のトピックスが、挑戦者の年齢だ。同王座の最年長戴冠記録は天龍源一郎の49歳10か月で、今回みのるが王座奪取すれば記録更新となる。天龍は04年2月の王座決定トーナメントで決勝戦(対戦相手は天山)まで勝ち上がっており、当時54歳で王座決定戦を戦った。50代の選手がIWGP戦に出場するのは今回が2度目で、正式に挑戦者として王座戦に挑むのはみのるが初のケースだ。

 だがオカダは「正直、年齢が(リング上に)響くスタイルではないと思うんです。派手な技もないじゃないですか。動きを見ていても相当練習しているなというのは分かるので。あまり関係ないんじゃないかなと思います」と史上最年長挑戦者にも警戒心を緩める気配は一切ない。そして当のみのる自身も「お前らの小さな物さしで俺を測るんじゃない。今まで勝手に線引きしてただろ? 40歳だったらだいたいこのくらい、45歳ならこのくらい…。その中で、食物連鎖に組み込まれないやつがぽつんといるんだもんな、ハッハ〜」とニヤリ。「俺の人生の目標に『記録達成』なんてないから。なんであれが欲しいか…欲しいから。それ以外に理由なんてあるか? あれ(IWGP)は俺のために作ったベルトだと思ってる」と、年齢面のことなど歯牙にもかけない。

 ともあれ英国決戦がIWGPの歴史に新たなページを刻む戦いであることは間違いない。レインメーカーとプロレス王が、ロンドンの地で雌雄を決する。